イランにミサイル攻撃か。中東に波及するウクライナ戦争の火の手

 

このため、ロ軍は大規模攻撃が可能な状態であり、人的損害を無視した戦闘と機甲部隊の戦闘を掛け合わせた戦いが可能になっている。そして、前線のロ軍兵には「レオパルト2の倒し方」が配られているそうだ。

戦車の数もウ軍の倍以上あり、機甲戦力も十分にある。欧米兵器がウ軍に渡る前にウ軍に大損害を与えて、停戦に持ち込むしかない。

ロシアは、ロ軍兵器の質が欧米兵器より低いことを悟り、人員の犠牲を厭わず、経済や社会への悪影響も厭わず、戦争のニーズに邁進するしかないということである。

この状況では、ロ軍が勝つシナリオは描けない。ロシアは、自国に有利な停戦しかない。ウ軍もロ軍を領土内から追い出すまでしかできない。そこで停戦になる。

ロシアは生き残れるし、現政権も国内統制ができていれば、続くことになる。国際社会からは村八分であるが、賠償を支払らわないこともできるし、プーチン政権幹部が死刑になることもない。

しかし、一番心配しているのが、核戦争になることである。もし、核兵器をロシアが使用したら、ロシア崩壊まで、欧米諸国は戦争を続けて、ロシアは完全敗北となり、プーチンをはじめ現政権幹部は全員死刑になり、欧米日軍は占領軍としてロシアを支配することになる。ウクライナへの賠償金が重く圧し掛かり、ロシアは当分非常に貧しい状態になる。

しかし、今はウ軍にとって苦しい時期であるが、ウクライナでの最強部隊である特殊作戦軍アゾフ連隊が、第3独立強襲旅団「アゾフ」に格上げされ、規模を増した。この最強部隊が、今後全面に出てくることになる。なお、本家の「アゾフ連隊」は、そのまま「アゾフ連隊」の名称であり、区別するためでもあるようだ。

なお、レオパルト2などの欧米戦車の提供国は、12ケ国である。米国のM1エイブラムス30両、英国のチャレンジャー14両、ドイツ14両、ポーランド14両、オランダ18両、ポルトガル4両、ノルウェー8両、フィンランド14両、デンマーク6両、カナダ4両、スペイン20-53両までで179両になり、レオパルト製造メーカーである独防衛大手ラインメタル社は、レオパルト139両を引き渡すことが可能と言う。レオパルト2前のレオパルト1戦車が88両で、2A4が51両であるが、大量である。これも引き渡されると、318両になり、ウ軍が要望した300両になる。

ウクライナのオメルチェンコ駐仏大使も、ウクライナに対しこれまでに321両の重戦車の供与が確約されたと述べた。

その他、フランスは、ルクソール戦車の供与を検討し、ギリシャも参加する可能性があるし、ポーランドは手持ちの200両を供与する可能性もある。ということで、ウ軍は、ロ軍の戦車より性能が良い戦車を持つことになり、戦車台数もロ軍に並ぶことになりそうである。

現時点で、ポーランドは、PT-91を30両とT-72を16両を追加供与して、レオパルト2の14両とで、60両の供与をするという。

そして、EU外務省に当たる欧州対外活動庁(EEAS)のサンニーノ事務総長は、ドイツがウクライナへの主力戦車供与を決めた背景について、「ロシアの攻撃が新たな段階に入り、軍事目標や重要インフラだけでなく、非戦闘員を無差別攻撃している」ことであるとした。

もう1つが、米国のM1エイブラムスの提供と同時であることにシュルツ首相は拘った。ロシアから多額の政治資金の提供を受けていた社会民主党内の意見をまとめる必要があったのである。

米国は、ワグナー軍を国際犯罪組織として、制裁を強化している。中国の衛星情報会社が、ワグナーに情報を提供しているので、その中国企業への取引禁止をした。衛星部品・半導体が手に入らなくなる。

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