例えば共働き世帯で夫婦で合計50万円稼いだ場合と、専業主婦世帯で夫(もしくは妻)1人で50万円稼いだ場合の保険料負担総額は同じであり、将来貰う受給年金額も同じになります。
世帯の負担も年金額も同じになるのに、更に国民年金第3号被保険者に個別に保険料を負担してもらうと、その分の更なる年金を支給するような事をしないといけなくなったりします。
合理的な制度なのに、不公平だという声ばかりが先行したので、パートなどの専業主婦の厚生年金加入を促進する事でこの問題の解消になっていくでしょう。
まあ、特別に不公平ではないという説明は昭和61年3月31日までの厚生年金制度からどのように変わったのかという事を説明しないといけません。
この話をすると、旧年金制度の計算をしながらの非常に長くなる話なので簡単に概要だけ説明します。
※3 号被保険者が不公平というわけではないという事を旧法年金から考えてます。
昭和時代の厚生年金制度は世帯単位で面倒を見る制度であり、夫一人で厚生年金に加入して老後は夫婦の生活保障をするというものでした。まあ、夫の厚生年金で妻の生活保障もするようなものでしたので、国は妻をわざわざ強制的には国民年金に加入させませんでした。
よって、昭和時代は国民年金に加入していなかった妻が大勢いたわけです(任意で加入は出来た)。
つまり、夫一人の厚生年金保険料を支払いつつ、夫が100%の厚生年金を受けて、その夫にすべて支払われる厚生年金で夫婦の生活をしてくださいねというものでした。
夫が死んでも、妻には遺族年金で終身保障されますしね。
しかし、夫だけで厚生年金をすべて握ったら、万が一にも妻が離婚して1人になった時に何の保障も無いですよね。
それじゃあ妻の将来が不安定だし、我慢してでも夫へ依存しなければならなくなってしまう危険性があります。
昔はよく亭主関白という言葉を聞きましたが(今もそういうところがあるかもしれませんが…)、夫に収入をすべて握られていたからそれでも妻は我慢するしかなかったんだと思います。
介護にしても、介護保険が無かったので妻がほとんどをこなしていた時代です(介護保険が無かった西暦2000年前は介護地獄と呼ばれました)。
そういうの嫌だからって、熟年離婚なんかしたら生活費どうすればいいのって事になりますからね。