変節の人・丸川珠代議員は20年前の自民批判も「反省」してしまったのか?

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2010年に所得制限なしの子ども手当を成立させた当時の民主党政権に対し、「この愚か者めが」とヤジを浴びせていた丸川珠代議員が、「反省すべきは反省したい」と微妙な言い回しで“反省”を口にしました。そんな丸川氏を「自分というものがない」と評すのは、辛口評論家として知られる佐高信さん。今回のメルマガ『佐高信の筆刀両断』では、丸川氏が20年前に展開していた強い言葉での自民党批判を紹介して、その変節ぶりを明らかにし、野党はもっと逆上って追及していいと主張しています。

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「この愚か者めが」自民・丸川珠代の転向

社会に開かれない家庭で子どもを育てようというのが統一教会の考え方である。そこが安倍晋三が一番近かった統一教会と自民党の共通点である。それに対して子どもは社会の子であるとして児童手当を所得制限なしに支給しようとした民主党(当時)政権に野党だった自民党は大反対した。

いま思えば、裏で統一教会がそれを煽っていたのだろう。先っ走りは丸川珠代だった。「この愚か者めが」という野次をとばして、自民党はそのTシャツまでつくって、民主党を攻撃した。

ところが、一転、今度は自民党と公明党の連立政権が同じことをやろうとしている。さすがに立憲民主党にその点を批判され、岸田文雄と丸川は「反省」を口にした。それを皮肉って青山学院大学の三木義一は2月2日付の『東京新聞』のコラムで、「何のことはない、自民党ってのは10年遅れの民主党だったんだよ」と言っている。

それにしても丸川珠代である。ブーメランはもっと前にとんでいくのではないか。丸川が2003年に東大経済学部の先輩の金子勝と出した『ダマされるな!─目からウロコの政治経済学』(ダイヤモンド社)では、むしろ自民党に対して厳しかった。

「『自立』は素晴らしい、と奨励する政治家は、そもそもカネ勘定する怪しいものです。なかでも危なっかしいのが『ニッポンの自立』。これ以上まだ借金を作って、軍事費にあてるんでしょうか。そんなことしたら、たちまち日本経済は崩壊です。その上、中国の反発を買って、あの巨大マーケットで出遅れたらニッポンは自立どころか、もう立ち直れないかもしれません。

 

それでも、『自立』は損得の問題ではない、と反論するセンセイ方には、もはや国益を語る資格はないでしょう。国益こそまさに、わが国にとっての得は何か、ということ。損得を勘定してこそ国益ではありませんか。“自立の沙汰も損得から”、それもできない政治家には、国家や国民の行く末を語れるはずがないのです」

この時点で丸川は自民党員ではなかった。もちろん議員でもない。当時はイラクへの戦争を始めたブッシュを「おバカ大統領」とまで言っている。野党はここまで逆のぼって丸川を攻めてほしかったが、クルクル変わる丸川には、そもそも「自分」がないのだろう。

私は20年前の丸川の自民党批判に双手をあげて賛成するが、現在は「反省」して変えているに違いない。

男女共同参画担当大臣だったころ、丸川は夫婦別姓への考えを問われて、「個人や政治家としての思いは脇に置き、国際社会にどう受け止められるかに力を尽くしたい」と繰り返した。その前に別姓反対の要請文に名を連ねていたから追及されたのだが、要するに自分というものがないのである。

大臣になったら原発反対を口にしなくなった河野太郎と同じで、自民党にはこんな輩ばかりだ。

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image by: 丸川珠代 - Home | Facebook

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