キーウへの攻撃で露呈したロシアの巡航ミサイル枯渇
その他方面
クレミンナ方面では、セレブリャンスクの森方向にロ軍は攻撃したがウ軍に撃退されている。
アウディーイウカ方面でも、プレボマイスクにウ軍は攻撃したが、ロ軍の砲撃で、損害を出し撤退した。逆にロ軍は要塞に攻撃したが失敗している。
ロ軍は、マリンカとノボミハイリフカに攻撃して来たが、ウ軍は撃退している。ウ軍はノボドネツクの川を渡河し攻撃して、ロ軍は、後退している。ここからマリウポリまでは、一直線であり、マリウポリのロシア人や親ロ派住民は、逃げ出している。ここが本命であるとみるが、まだ分からない。
ロシア支配地のルハンシク市が長距離攻撃された。ウ軍はミサイルシステム「グロム(フリム)」が使用されたとロ軍は主張した。攻撃されたのは、機械製造工場と弾薬保管拠点と石油貯蔵所のようだ。
ドニプロ川東岸や中州のウ軍拠点をロ軍は砲撃している。しかし、ベリスラフにウ軍が集結して、ドニプロ川に大量のウ軍小型船が集結し、水陸両用車も目撃されているという。
ロ軍は、9日朝にかけて巡航ミサイル25発をキーウなどに発射し、うち23発が迎撃された。5月9日は戦勝記念日であり、戦果が欲しいが、巡航ミサイルが枯渇していて、100発も打てないようだ。
ウクライナに供与された真のゲームチェンジャー
ウ軍は、ロ軍への反転攻勢を前に、準備段階に当たる「形成」作戦を開始したと、米軍や欧米当局の高官が明らかにした。
形成作戦の内容には、部隊の進軍に備えて戦場の状況を準備するため、武器集積所や指揮所、装甲車、火砲を攻撃することで、大規模な諸兵科連合作戦の前に行われる標準的な戦術だ。
しかし、ゼレンスキー大統領は11日、欧米から約束された軍事支援のさらなる到着を待つ必要があるため、反攻開始には「もう少し」時間が必要だとの認識を示していた。
それと戦争には、後方支援も必要であり、ドイツのラインメタル社がウ軍戦車を修理・製造する合弁会社をウクロボロンプロム社と設立した。長期戦になると、ラインメタル社は考えているようだ。
それと、ウクライナ国防省は月12日、国産戦車「オプロート」を国内企業ウクロボロンプロムに発注すると発表した。「オプロート」は、既存のT-80UD戦車をベースにウクライナが開発した重量50t超の主力戦車で、いくつかのモデルが存在し、主砲だけ見てもロシア規格の125mm滑腔砲とNATO規格の120mm滑腔砲の2種類が存在する。
この戦闘で効果があるのは、英国が射程距離250km以上の巡航ミサイル「ストームシャドウ」をウ軍に提供したことである。空対地ミサイルなので、ポーランドとスロベニアのMIG29を改修して、改修後ウ軍に供与して、この戦闘に間に合ったようであり、これで、クリミア大橋を破壊できることになった。
この供与に対して、「イギリスによるミサイル供与は破壊と人的犠牲の点で、紛争をさらに深刻化させる」とロシア外務省が非難した。
米高官も、ストームシャドーは「射程の観点から見て真のゲームチェンジャー」であり、ウクライナが開戦当初から要求してきた戦闘能力を与えるものだとした。
しかし、ウ軍はロシア国内への攻撃には使えないという。
もう1つ、ウ軍のHIMARSの命中精度が下がっているのは、ロ軍の電子戦装置によるが、スタンドオフデコイジャマー「ADM-163B MALD」をウ軍が使用しているが、これを米国が極秘に供与したようである。使用方法は、スタンドオフデコイジャマーを放ち敵防空網を撹乱して、その隙に本命のミサイル攻撃ないし航空攻撃を行う流れになる。ルハンシク市の長距離攻撃に使用されたようだ。
もう1つが、11日に、ウ軍兵の訓練に使う米主力戦車エイブラムスがドイツに到着した。ここから訓練が開始する。
ゼレンスキー大統領はいつまで待つのあろうか。このエイブラムス訓練後まで待つとすると、9月以降迄待つことになる。
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