ルカシェンコは昏睡状態か。唯一の支持者失うプーチン
また、ウ軍に迎撃された極超音速ミサイル「キンジャール」は、パトリオットミサイルを撃破しようとして発射されたが、逆に迎撃されたようだ。
ウクライナ原子力企業エネルゴアトムは10日、同国南部のザポロジエ原発を占拠するロシアが、原発が立地する都市エネルゴダールから職員ら約3,100人の退避を準備していると発表した。原発を維持できずに、核汚染の可能性を見て、退避するようだという。
もし、原発の核物質の暴走になると、福島第1原発や、チェルノブイリ原発と同様に、50kmまでの住民の退避も必要になる。そうすると、ザポリージャ州の広範囲が対象になる。これは戦況に大きな影響を受けることになる。
一方、9日の対独戦勝記念日の昼食会に欠席したルカシェンコ大統領は、心筋梗塞を患っており、おそらく人工的な医学的昏睡状態に置かれているようだという。プーチンに取って、強い支持をしてくれる唯一の存在を失うことになる。
もう1つ、14日はトルコの大統領選挙であるが、エルドアン大統領が負けそうであり、負けるとクルチダルオール氏は、欧米的なセンスでロシアと対応するので、ロシアとしても、この選挙に介入してきたが、負けると大きい。
それと、12日、モスクワ近郊のジェルジンスキー市で火災が発生したが、MiG航空機のエンジンを製造する工場のようである。
中央アジアサミットにロシアを呼ばず。プーチンを見限る習近平
NATOのストルテンベルグ事務総長は10日、東京に連絡事務所を新設するために日本政府と協議しているとした。中国は、NATOの日本進出を危惧しているようだ。
中国は、秦剛外相を欧州に派遣している。背景には、米中の対立激化から欧州を引き離そうとする中国側の思惑があり、米国のやり方に従えば欧州の利益が損なわれると警告している。しかし、NATOの日本進出となる。
中国は、4月CPIが前年比0.1%(前回0.7%)へと減速して、デフレの状態になりそうだ。経済も低調であり、欧米企業の撤退も「反スパイ法」拡大で加速している。このため、経済面を考えるなら、欧州を引き留めたいようである。
このため、中国は特別代表をウクライナ・ロシアなど5か国に派遣して、和平交渉の仲介役を果たして、中国の威信を上げたいようである。
9日の対独戦勝記念日にもロシアに友好的なメッセージも送らず、反対に、中国の船舶は、ロシアのザルベジネフチとペトロベトナムの合弁会社ベトソフペトロの「04-03」ブロックに入り、ロシアの権益を障害していた。
5月19日からは、中央アジアサミットで、中国と中央アジア諸国との首脳会談も予定しているが、ロシアを招待していない。
このように、中国は非常に微妙な外交を展開している。
イスラエルでは、ガザから400発以上のロケット弾が打ち込まれて、アイアンドームへの飽和攻撃になり、民間人が複数、けがをしたようである。同時にビスボラからもロケット弾攻撃を受けている。裏には、イランがいるし、サウジはイランとの和平が成立、シリアはアラブ連合会議に復帰している。
イスラエルが、中東で孤立的な立場になってきたようである。この紛争にエジプトが仲介するようであるが、こちらも微妙なことになってきた。戦争が近い感じである。
というように戦争の時代になり、日本でも、有事に輸入が止まるなど国内で食料が不足する事態に備え、農林水産省が農産物の増産を農家や民間事業者に命令できる制度をつくる方向で検討を始めた。
さあどうなりますか?
(『国際戦略コラム有料版』2023年5月15日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
この記事の著者・津田慶治さんのメルマガ
image by: Chirag Nagpal / Shutterstock.com









