聞こえ始めた「プーチンはクソ馬鹿」の声。ロシア国内でも噴出する独裁者批判と“敗戦”の空気

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東部の激戦地バフムトで「効果的な反撃」を展開し、一部領土の奪還に成功したと伝えられるウクライナ軍。ゼレンスキー大統領は海外メディアのインタビューに対し「大規模な反転攻勢を準備している」と語りましたが、この先戦況はどのような変化を見せるのでしょうか。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、バフムトでの反撃が持つ意味と、ウクライナ軍が反転攻勢で狙う「本命」の地を予測。さらにプーチン大統領への批判や国民感情の変化等、ロシア国内の様子についても詳しく紹介しています。

プーチンは負ける。ロシア首脳部も国民もついに「敗戦」を覚悟し始めた理由

ウ軍は反転攻勢に出て、バフムトやアウディーイウカやボラレダラなどで、威力偵察や本格的な反撃をおこなっているようだ。特に、本格的な反転攻勢に出たのがバフムトであり、ロ軍の弱い所を攻めている。

また、ザポリジャー州やヘルソン州などの複数地点でも偵察に出ているし、攻撃準備をしている。

バフムト方面

ウ軍はバフムト郊外で本格的な反転攻勢に出ている。ウ軍の攻撃は諸兵科連合軍作戦であり、前線部隊にもパッドでウ軍全体の動きがわかるようにして連携を取る。これでロ軍は対応できない速度で攻められている。

郊外のクロモベのO0506道路の近接地域のロ軍陣地をウ軍第92機械化旅団が攻撃・奪還し、ロ正規軍は後退している。この方面には、ワグナー軍はいないという。ロシア国防省も12日「(バフムート北の部隊は)防衛ラインの安定性を高めるためベルヒフカ貯水池周辺の有利な位置を保持している」と後退を認めた。この方面では、ロ軍が総崩れの状態になり、立て直せるかが問題である。

イワニフスクでもウ軍第24突撃旅団がロ軍陣地を攻撃して、ロ軍を後退させている。ウ軍の戦車が至近距離で砲撃し制圧、その後歩兵がBMP-1から下車展開して、塹壕を掃討している。歩兵だけでは、戦車に対抗できないし、RPGは持っているが、戦車に当てるのは難しいようであり、ジャベリンのような優れた対戦車ミサイルをロ軍は持っていないようだ。これでは、戦車で蹂躙されるだけである。

もう1つが、ウ軍第3突撃旅団が、運河を渡河してクリシチョウカ方向に攻撃して、進撃中であり、ここを守っていたロ軍第72自動車化狙撃旅団の2個中隊が壊滅して、第72自動車化狙撃旅団全体が2kmほど後退した。取り残されたワグナー軍の500人も全滅したが、第72自動車化狙撃旅団がワグナー軍に撤退の連絡もないことで、孤立したからだとプリゴジンは言って、側面のロ軍旅団は、戦わずに逃亡したと、怒っている。

しかし、第3突撃旅団とはアゾフ連隊のことで、そこの指揮官は「真っ先に逃げ出したのはワグナーの兵士達で第72旅団の兵士達は包囲され降伏を受け入れるまで懸命に戦っていた。プリゴジンは嘘つきだ」と述べている。

ウ軍第3突撃旅団の一部は、クリシチョウカ市内に到達しているようである。このため、イワニフスク近郊の第72自動車化狙撃旅団全体は、既に包囲されている状態になっている。数千名のロ軍兵は、絶体絶命の状態である。ウ軍第3突撃旅団は、戦車T64や装甲車M113などで構成されている。

ここまでで、今年の2月に、ロ軍が手に入れた地域が、たった1日で取り返されたことになっている。ロ軍の弱さや装備のなさが、どうしようもないレベルであることがわかる。ロ軍が3ヶ月かかってとれた土地も、後数日で取り返される運命にあるようだ。

市内北側では、ウ軍は第2市立病院までロ軍を押し戻している。東側はワグナー軍は前進できずにいる。ヘッドマンスーパーマーケットでもワグナー軍は停滞している。

市内南側は、ウ軍の攻撃で、工業大学を取り戻している。しかし、工業大学の南側では、ウ軍がワグナー軍を押し戻したが、再度、ワグナー軍は第2小学校まで前進してきた。

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