「ワクチンの効果があった」と書けない朝日新聞
むちゃくちゃさに仰天したのは、5月6日の朝日新聞1面トップ記事だ。
● コロナ下、国内死者13.5万人増 感染拡大後、地方で増加めだつ 流行前水準比 5月6日(土曜)朝日新聞
WHOがコロナ終了を宣言したことを受けて、朝日新聞が独自に死亡データを調査しているのだが、見出しは「コロナ下 国内死者13.5万人増」。
さも、コロナで13.5万人も人が死んだかのような印象を与えている。
ところが、グラフを見ると、コロナ騒ぎがはじまった2020年は、超過死亡どころか、例年より3.5万人も死者が減少。翌21年、22年になって倍々に積み重なっているのがわかる。
朝日新聞いわく、20年に死者が減ったのは「マスクの着用や外出自粛が進み、インフルエンザの流行が抑えられるなどした」という理由らしい。
ばかっ!ぜんぜん、ちがう!
国立感染症研究所に残されているデータによれば、インフルエンザの流行グラフがぽっきり折れて抑え込まれたのは、2020年ではなく、2019年の第52週(2020.12.23~12.30)である。
朝日新聞には、ぜひ、2020.12.22発行のライジングを精読いただきたい。ウイルス干渉によってインフルエンザが抑えられた科学的解説が書かれている。
インフルエンザが消えた時期、日本人はまだマスクをしていない。
一斉休校が行われたのは2020.3.2(第10週)から。緊急事態宣言による外出自粛がはじまったのは、東京、神奈川、大阪、兵庫、福岡などが2020.4.7(第15週)、全国では4.16(第16週)からであり、まったく関連性がない。
さらに、当時は限られた発症者にしかPCR検査が行われておらず、コロナの陽性者観測としてはかなりのデータ不足だった。この点を考慮して、インフルエンザの折れた時期から、本当の陽性者推移を予測すると次のようになる。
では、13.5万人増の死者、その死因はなんなのか?
朝日新聞の調べによると、顕著な死因は、「心筋梗塞や脳卒中などの循環器の病気」「肺炎など呼吸器の病気」「老衰」だという。
コロナじゃないのかよ!
びっくりだ。肺炎ですら、コロナ起因でないものが大多数であることは既にデータとして判明している。
武漢株の時期は、血栓症で擦りガラス状に白くなった肺のCT画像が多数報告されていたが、21年、22年以降になって、コロナ起因の血栓症でそれほど多くの人が死んだ報告はない。死後も全例PCR検査が行われ、コロナが原因でなくても「コロナ死」にされていたことが問題になったほどで、日本には、とりこぼされたコロナ死者がそんなにいるとは到底考えられない。
すぐに思い浮かぶのは、大動脈解離や脳出血などを引き起こすmRNAワクチンの被害だが、朝日新聞1面のこの記事では、ワクチンについては効果も被害も一切触れられていない。ワクチンを打ち始めてからのほうが、格段に死者が増えているというグラフを作ってしまったのだから、当然「ワクチンの効果があった」なんて書けるわけがない。
衝撃的なのは、関連記事として2面に掲載されていたグラフである。
国内の累計死者数と死因、そしてワクチン接種率を並べたグラフなのだが、これを掲載した朝日新聞は、なにも気づかないのだろうか?
わかりやすく色をつけてみると、恐ろしい相関関係が浮かび上がってくる。
ワクチンを接種しはじめてから、中央の累計死者数が、階段状に増えていくのがわかる。
特に顕著なのは、3回目接種率、4回目接種率、5回目接種率がそれぞれ急上昇する時期だ。循環器(心筋梗塞や脳卒中など)の病気で死亡する人が、接種率に呼応するように明らかに急上昇しているのである。3回目接種の時期など、不自然なほどの突出ぶりに身の毛もよだつ。
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