辛口評論家が感心。亀井静香の「核心」を突く岸田首相評と連合批判

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芳野友子氏が会長となって以来、自民党にすり寄る「連合」の醜態を厳しく批判し、組織としての存在意義をなくしていると主張してきた辛口評論家の佐高信さん。今回のメルマガ『佐高信の筆刀両断』では、雑誌『クライテリオン』の自身も登場した特集記事内での、亀井静香氏による岸田文雄評と連合批判が的確であるとして紹介。「これからは下手したらテロの時代に入る」との指摘に続く言葉は、連合の幹部らに聞かせたい提言として抜き出しています。

亀井静香の根底的な連合批判

西部邁のやっていた『表現者』の後継雑誌の『クライテリオン』5月号が「『岸田文雄』はニッポンジンの象徴である」という特集をやっている。

編集長の藤井聡が亀井静香と私にそれを語らせているが、亀井の発言がおもしろい。岸田はアメリカだけでなく中国にも依存し出すだろうと藤井が言うと、亀井が、「これじゃ売春婦と一緒だよな」と語り、こう続ける。

「売春婦でもいいというのは人間を否定することと同じだよな。だけど、オレは売春婦は好きだよ(笑)。俺は若い頃、恋人らしい恋人はいなかった。唯一いたのが、玉造温泉の温泉芸者だったし。学生時代、アルバイトで金を作って、夏休みと冬休みに玉造温泉に通ったのが俺の青春よ」

脱線気味の告白はともかく、彼女らは生活苦からやむにやまれずだったと指摘する亀井には弱者へ寄せる思いがある。共感である。それが死刑廃止議員連盟の会長にもならせたのだろう。つぎの発言も、まさに現在の連合の幹部らに聞かせたい提言である。

「これからは、下手をしたらテロの時代に入るよ。議会とか労働組合とかの集団が世の中を正す力を持たなくなってきたからね。今の連合なんて、労働者の利益を代表して経営者と交渉していますか。ストもしていないでしょう。

 

かつて京都のUAゼンセン(繊維・化学・流通サービス業などの労働組合が加盟する組織)に招かれて行った時、『あなたたちの組合でスト権を確立した経験があるのはいるか?』と聞いたら、1社だけだった。労働組合の幹部が本当に社員のために経営者と交渉しようと思うなら、スト権を確立しなきゃならんでしょう。そのうえで勝負に行かないと、すべてを持っている経営者にはかなわないよ」

岸田に信念があるのかと藤井が問うと、亀井は見事に茶化す。

「そりゃあるだろうな。『事なかれ主義』という信念が(笑)。岸田は国会でも記者会見でもいつも下を向いて原稿を読んでいるだろう。あれはよくないよな。俺が大臣だった時には、答弁を官僚に書かせたことは一度もないよ。それで何も困らなかった。だけど、今も国会の中堅議員はお互いに原稿を棒読みし合っているだけだ。もっと国民の方を向いてしゃべらないと。だから原稿なんか見ていたらダメだな」

藤井は私に左と右と正反対の西部となぜ懇意だったのかと尋ねた。それで私は答えた。

「私も西部さんも基本はアナーキストですよね。西部さんも学生運動をやっていた頃はトロッキストと呼ばれていた。私も正統派の左翼にいろいろ言うからトロッキストに近いと言われていた。だから、トロッキストという分類、それからアナーキストというのが共通していた」

藤井がフォローしているように「もともと政府は必要悪」に過ぎないのである。

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