深まる謎。なぜ「プーチンの料理人」プリゴジンは独裁者に銃を向けたのか?

 

プーチンの世界戦略を知らぬはずのないプリゴジンが蜂起の謎

プリゴジンは、ウクライナ戦争を長期化することがロシアの国益と敵である米欧の自滅になるというプーチンの策略を知らなかったのか。そんなことはない。ワグネルは露軍の代理・隠密部隊として、アフリカやシリアにも派兵されてきた。ワグネルを動かしてきたプリゴジンは、ロシアの世界戦略に参加しており、ウクライナ戦争を長期化するとロシアが得して米欧が自滅するというプーチンの世界戦略を知っていたはずだ。

もしくは、プリゴジンはプーチンの戦略を知っていたけど反対だったのか。そのあたりの実態はわからない。プリゴジンはルカシェンコに説得されて反逆(強硬な政府説得策)を中止した。ウクライナ戦争を長期化してロシアと非米側全体の繁栄と強化、米国側の覇権崩壊につなげるプーチン(と米隠れ多極派)の策略は今後も続くことになった。

(無料メルマガ『田中宇の国際ニュース解説』2023年6月25日号より一部抜粋・敬称略)

image by: Andrey Sayfutdinov / Shutterstock.com

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