「我々はどこに行くのか」。今熱い仮想通貨『ワールドコイン』に振り回されてはいけないワケ

 

瞬間の出来事に振り回されずに…

GoogleやWikipediaなどの情報源を利用して、言語選択を英語にして、その英語を翻訳すると、結構その人の歴史っていうのがわかってくるんですね。

サム・アルトマンさんは、OpenAIの創業者であり、CEOだからAIと未来のテクノロジーの先端に立っている人物ですって今だけを切り出すと思うんですけど、彼の過去を調べると、世界最大のベンチャーアクセラレータープログラム、Yコンビネーターの代表を譲り受けていたり、Airbnbへの投資経験があるなど、投資家なんですよね。

かつ、核融合のスタートアップだったりとか、ワールドコインも前々から立ち上げていて、多岐にわたる活動を展開しています。

じゃあ、ワールドコインには、何のためにやってるかというと、彼はベーシックインカムを通じて、全ての人が基本的な生活を送れるようになり、みんなが前向きに生活できるようになるだろう、というのを信じていて、暗号資産がやりたいのではなくて、ベーシックインカムの世界をどう実現していくか、ていうものに新しいテクノロジーとして暗号資産を使っているだけですよ。新しいテクノロジーだけに注目していると、その本質を見落とすこともあります。

どこから来たかを見ていると、どこに行きたいのか、がわかるので、サム・アルトマンさんは、新しい科学技術によって、エネルギーの心配がない、収入の心配のない、それが故にみんなが前向きに生きれるっていう世界を信じているんですね。

じゃあ、それに基づいたら、手段としての暗号資産をどう使っていくのか。手段としての核融合をどう使っていくのか。手段としてのAIをどう使っていくのか。っていうのが見えるんですよね。

その人が何を大事にしているのかを理解するためには、その人の過去の流れを知ることが大切です。そして、その流れを理解することで、その人がどのような未来を描いているのかが見えてきます。

是非、一つ一つの瞬間の出来事に振り回されずに、何を重視し、何を目指しているのかという軸を大事にしてほしいということでございます。

最後に、イーロンマスクさんがXに関して何かやっているという話題がありますが、これについての解説も、もし要望があれば、していきたいと思います。じゃあね。

※ 2023年8月3日サロン向け解説動画を記事化しております

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image by:Paul Gauguin, Public domain, via Wikimedia Commons

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IT批評家、藤原投資顧問 書生 1970年生まれ。京都大学大学院工学研究科応用システム専攻人工知能論講座修了。 マッキンゼー・アンド・カンパニーにてキャリアをスタート。 NTTドコモのiモード事業立ち上げ支援を経て、リクルート、ケイ・ラボラトリー(現:KLab取締役)、コーポレートディレクション、サイバード、電子金券開発、リクルート(2回目)、オプト、Google、楽天(執行役員)の事業企画、投資、新規事業立ち上げに従事。 経産省 対外通商政策委員、産業総合研究所人工知能センターアドバイザー等を歴任。 現職は14職目。シンガポール・バリ島をベースに人・事業を紡ぐカタリスト。ボランティアで「TEDカンファレンス」の日本オーディション、「Burning Japan」に従事するなど、西海岸文化事情にも詳しい。

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