日本の格差を「固定化」させた自民党と経団連という“A級戦犯”たちの大罪

 

「財務省悪玉論」に与しているマスメディア

この間、賃金引き上げを渋りに渋ってきた大企業の「労働分配率」は、なんと40%そこそこまで引き下げられてしまいました(人手不足の中小企業は労働分配率70%で、もはや賃上げ余地なしのアップアップ状態=東京新聞2023年12月30日付の調査報道による)。

消費税率を上げることで、法人税率や所得税率を下げたばかりか、大企業は下請け企業に払ってもいない消費税を「仕入れ税額控除」で、海外輸出時に還付金として、6兆円も取得することが出来ています(海外への輸出製品には消費税がかからないという建前での輸出戻し税)。

6兆円といえば、消費税率3%分です。

下請けにコストカットを要求し、10%の消費税分さえカットして納品させている大企業は、これだけでもベラボーに儲かります。

ゆえに、「経団連」はさっさと消費税率を早く19%まで上げろ──と自民党をせっついています。税率を上げれば上げるほど、濡れ手で粟の還付金が入ってくるからです。

「消費税率を上げろ」──と自民党を脅しているのは、「財務省だ」という奇妙な説もありますが、「財務省」などしょせん役人サラリーマンの集まりです。

この珍説は、官邸主導で公務員の人事権を握っている自民党政権が、単に「財務省」を悪玉に仕立てて、カネを恵んでくれる「経団連」をかばっているだけの構図です。

総理官邸が「財務省」官僚のトップである事務次官など、いつでもクビに出来るのですから、故・安倍元首相が「財務省」を怖れていた──などと回想本もどきの書籍の中で語らせるのは、本当にタチの悪い詭弁であり、大いなる作り話にすぎません。

消費税率をアップしようと画策している首謀者は「経団連」であり、財務省はその尻馬に乗っているだけの存在にすぎません。

これぐらいは、ちょっと考えれば、おかしい──とすぐにもわかるはずの話でしょう。マスメディアも自民党政権への忖度で、「財務省悪玉論」に与しているだけなのです。

そんな自民党が、手の平を返すかの如きに、口先で今さらのように労働者への「賃上げを期待する」などと経済界に言及するのは、チャンチャラおかしい笑止千万の話でしょう。

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