「植民地ニッポン」の作り方。米国と自民売国政府は“よく働きよく従う”優良属国をどう実現したか?

 

ニッポンを「自己責任社会」「市場原理主義化」「弱肉強食化」へと向かわせた米国からの命令「年次改革要望書」の中身!

ちなみに、主だった内政干渉の「米国の命令とその狙い」は以下の通りです。ざっと、見ておきましょう。

●「金融自由化」(1996年)……米国の金融機関参入障壁の排除が狙いで、元本保証のない金融商品の増加を招いた。

●「独禁法改訂」(1997年)……金融持株会社および持株会社を解禁。ここから「〇〇ホールディングス」の名称が続々登場。

●「NTT分割民営化」(1997年)……すでに電電公社から民営化されていたNTTが未だ市場を独占し、米国企業の参入を阻んでいるとして99年までに4分割。

●「旧大蔵省から金融監督庁設立・分離」(1998年)……不良債権処理の過程で、金融監督庁を総理府外局に設置、のち金融庁として内閣府の外局に移設(2000年)。

●「建築基準法改訂」(1998年)……1981年改訂の新耐震基準の建築工法が米国の建築工法に合わないとして「仕様規定」を「性能規定」に変更。

●「労働基準法改訂」(1998年)……裁量労働制の対象を拡大。将来の高度プロフェッショナル(ホワイトカラー・エグゼンプション制)の「残業代ゼロ化」への布石。のちの「働き方改革」へ。

●「労働者派遣法の自由化」(1999年)……日雇い派遣解禁、派遣対象業種の拡大で、何でもアリの派遣に。

●「時価会計制度導入」(2000年)……金融商品の時価会計化を推進。

●「大店法廃止」(2000年)……米国企業の大規模出店を妨げる参入障壁ゆえに廃止(トイザらスの新潟出店トラブルが起点)。大規模出店を野放しにすることで、商店街の「シャッター通り化」を推進。

●「特殊法人改革」(2002年)……旧小泉内閣で推進。

●「健康保険3割負担導入」(2003年)……84年から1割負担が97年から2割負担になり、この03年から3割負担になった。

●「医薬品販売の規制緩和」(2003年)……旧小泉内閣で推進。OTC医薬品分類によるスイッチ化で第3類医薬品のネット販売が可能に。

●「特許法・著作権法改訂」(2004年)……旧小泉内閣で推進。米国の国益重視で、まずは映画の著作権の保護期間を50年から70年に延長。2018年以降は映画以外にも保護期間を70年に延長。

●「法科大学院設置」(2004年)……法曹人口を増やし、米国企業が弁護士を安く活用できるようにするために推進。

●「混合診療の一部解禁」(2005年)……旧小泉内閣で推進。国民皆保険制度を形骸化し、米国の自由診療・金儲け医療化をすすめるための布石。貧乏人は医者に行けなくなる。

●「日本道路公団解散」(2005年)……分割民営化スタート。

●「郵政民営化法」(2005年)……蓄えられた335兆円の貯蓄と保険のカネを米国金融へ提供する道へ(旧小泉内閣)。

●「三角合併解禁」(2007年)……合併時に親会社の株交付可能に。巨大な米国企業が日本企業買収時の利便性を強化。

●「独禁法強化・改訂」(2009年)……課徴金制度追加、懲役刑引上げ、企業結合の株式取得事前届け出制など。

●「貸金業法改訂」(2010年)……出資法上限金利20%に。総量規制導入(年収の3分の1を超えたら新規貸し出し禁止)など。

……とまあ、ちょっと並べただけでも、自民党政権の政策の中心を成すものばかりで、すべてが米国政府の国益にかなうものに他ならないのです。

日本国民にとってのメリットよりもデメリットのほうが先行して目立ちます。これが 「内政干渉」 でなくて、何なのでしょうか。

どんどん日本が「弱肉強食化社会」になってきた経緯が見て取れます。「自己責任」「市場原理主義」のミルトン・フリードマン流儀の横行でしょう。

これらの要求に対して、最も貢献したのが小泉純一郎政権だったのは、ご覧いただいた通りなのです。

なんたって日本の「郵政民営化」という米国のカネ目当ての解体政策を取り仕切った他、何でもかんでも米国の言いなりになるので、 「米国の忠犬ポチ」 として、米国からは猛烈に賞賛されたわけです。とんでもない売国・サイコパス政権でした。

とまれ、昔からあっぱれな売国・反日・世襲・カネまみれ政党・自民党の正体見たり――の状況だったわけです。

怖ろしいことに、この「年次改革要望書」の米国からの命令は今も脈々と続けられているのです。

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