「密室人事」と「党議拘束」が諸悪の根源
勿論、問題点はあります。
アメリカにおけるトランプ派の拡大、民主党の党内対立など、政策がまとまりにくくなるとか、一種の衆愚政治に陥る危険はあります。
ですが、その点では、有権者の平均値でも中央値でも日本の場合は、アメリカより民度は高いわけで、その高い民度を誇る有権者が「予備選」に責任をもって参加して、総理候補、各党党首、各議員候補を政策を中心に判断していくのであれば、日本の民主主義の再生は可能であると思います。
とにかく、派閥人事も、県議市議を使った集票工作も、無難な人物しか党首に選べない穏健野党とか、反対に党首公選を主張したら追放するなどという非常識な野党も、全て丸ごと過去にしなくてはなりません。
とにかく、諸悪の根源は、党首と候補の密室人事、そして党議拘束にあります。
この2つを続けている限りは、100%の民主主義にはなりません。そして、裏金の問題も、派閥の問題も、何よりも社会の閉塞感も全てがこの問題に関係していると思います。
日本の政治は制度で改善できるのです。政治風土が悪いとか、有権者が低レベルだというのではないのです(収賄体質の有権者は断罪されるべきですが)。
そこを突破することで、時代を先へ進める時期が来ている、今回の事態はそのように考えないと、解決しないと思うのです。
※本記事は有料メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』2024年2月20日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。「もしトラ時代へ向けた日本の自主防衛論」や「刑務所改革」に関する記事もすぐ読めます。
この記事の著者・冷泉彰彦さんのメルマガ
初月無料購読ですぐ読める! 2月配信済みバックナンバー
- 【Vol.522】冷泉彰彦のプリンストン通信『政治不信の根源は制度の問題』(2/20)
- 【Vol.521】冷泉彰彦のプリンストン通信『流転する政局、今週の状況』(2/13)
- 【Vol.520】冷泉彰彦のプリンストン通信『日米の政局、混沌の裏』(2/6)
<こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー>
※初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込880円)。
- 【Vol.519】冷泉彰彦のプリンストン通信『月末特集、さまざまな論点』(1/30)
- 【Vol.518】冷泉彰彦のプリンストン通信『日米における民主制度の変容』(1/23)
- 【Vol.517】冷泉彰彦のプリンストン通信『誤解される能登半島地震』(1/16)
- 【Vol.516】冷泉彰彦のプリンストン通信『航空保安における90秒ルール』(1/9)
- 【Vol.515】冷泉彰彦のプリンストン通信『緊急提言、能登半島地震』(1/2)
- 【Vol.514】冷泉彰彦のプリンストン通信『地を這う日本の生産性』(12/26)
- 【Vol.513】冷泉彰彦のプリンストン通信『最近の『日本映画』3本』(12/19)
- 【Vol.512】冷泉彰彦のプリンストン通信『アメリカ政治の現実乖離』((12/12)
- 【Vol.511】冷泉彰彦のプリンストン通信『日本政治における空洞について』(12/5)
- 【Vol.510】冷泉彰彦のプリンストン通信『トランプの「難題」を想定』(11/28)
- 【Vol.509】冷泉彰彦のプリンストン通信『日本の対立軸と政界再編の可能性』(11/21)
- 【Vol.508】冷泉彰彦のプリンストン通信『Z世代はアメリカを変えるのか?』(11/14)
- 【Vol.507】冷泉彰彦のプリンストン通信『残り1年、米大統領選の現在』(11/7)
image by: 岸田文雄 - Home | Facebook