田崎史郎氏の「手のひら返し」が意味するもの
一方、清和会の裏金問題については、意外な人物がテレビ番組を通じて森氏の国会招致を煽りはじめた。
政権との距離の近さをウリにする政治ジャーナリスト、田崎史郎氏。2月14日にはテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」、同16日にはTBS「ひるおび!」に出演して、次のように語った。
「この問題にいちばん詳しいのは森喜朗元総理なんですよ。自民党は聞き取りをやるべきだと思うけど、やっていない。現職ではないので政倫審には呼べないが、参考人招致をぜひとも野党にはお願いしたい」
田崎氏が、森元首相の国会招致になぜこれほど熱心なのか、奇異に思われた方もいるだろう。
少なくとも、最大派閥「清和会」がしっかりと存在しているならば、森氏にもっと気を遣うはずである。だが現実に派閥は解散し、引退後も森氏に隠然たる力を与えてきた基盤は崩れ果てた。
オモテには出てこないが、おそらく自民党内では森氏に対する批判の声が強まっているのだろう。だからこそ、田崎氏が安心して“代弁”できたのに違いない。
東京五輪の負の後始末からも、派閥の裏金作りの責任からも逃げ、ひたすら他人のせいにしているのが、今の森喜朗氏の姿ではないか。
カネを集め、人の世話を焼き、仲間内の和をなにより尊ぶけれど、困ったことができると、エゴを剥き出しにして遁走する。そういう人物に、この国の権力集団だった清和会は長く支配されてきたのである。
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