察OBが指摘、「萩生田の裏金」に重大な違法性
萩生田氏は直近5年間の不記載額が計2728万円にものぼっている。逮捕・立件された安倍派の3議員に次ぐ多額の裏金受領者だ。
そのうえ、代表をつとめる自民党東京都第24選挙区支部は、収支報告書を訂正したものの、その内容たるや国民を愚弄するものだった。
「収入総額」「前年からの繰越額」「支出総額」「翌年への繰越額」の欄の数字に二重線が引かれ、いずれも「不明」と書き込まれていたのだ。
これについて、「収支報告書の虚偽記載であり、政治資金規正法違反で告発される可能性がある」と自身のYouTube番組で指摘するのは検察OBの若狭勝弁護士だ。
若狭氏はなぜ「虚偽記載」と断定するのだろうか。「事務所スタッフにカネの管理を任せていて詳細まで把握していなかった」という萩生田氏の弁明がウソだと見抜いているからだ。
若狭氏が2017年10月に政界を引退した後に出版した「若狭は見た! 議事堂内の「清濁政治」」という著書に、派閥パーティー売上のキックバックを問題視しているくだりがある。下記はその一部。
都道府県単位の支部や派閥主催に係る政治資金パーティである。その場合、そこに所属する議員等に販売ノルマを課した上でパーティ券を各種団体・支援者等に販売する。そして、そのノルマを超えて多くのパーティ券を販売した議員には、販売手数料ないし功労金の名目で、主催者側から、パーティ券販売価格の一定割合額の現金がバックで渡される。
若狭氏は「私は安倍派ではなかったが、安倍派の人たちから見たり聞いたりして、そうした裏金作りが常態化していたことを確信した」と述懐している。
つまり、常態化していて他派閥の議員でさえ知っている裏金作りを萩生田氏が把握していなかったはずはないというわけである。