…そんなわけで、今この時も多くの人々が苦しんでる実際の戦争と、こうした漫画を比較するのは不適切かもしれないけど、あたしには、今、イスラエル軍がガザ地区に対してやってることが、どうしてもこの「ハレンチ大戦争」と重なってしまうのだ。
ただ単に「自分たちと考え方が違う」という理由だけで、狭い学園という敷地に弱者を封じ込め、圧倒的な火力で子どもたちを虐殺し続けた「ハレンチ大戦争」は、「復讐」に端を発した「憎しみの連鎖」の行き着いた最悪の結末じゃないかと、あたしは思った。そして、あたしたち人間が「復讐」とか「報復」とかの気持ちを持ち続けてるうちは、世界から戦争はなくならないと思った。
あたし自身、小説や映画などの「復讐劇」は好きだし、冒頭にも書いたように、古今東西、人間の多くは「復讐劇」が好きだと思う。でも、小説や映画などで楽しむ「復讐劇」と、現実世界で自分を苦しめた相手に「復讐」することとはまったく別次元の話だ。そして、この後者の「復讐」の心こそが「戦争の種火」なんだと思った。
「復讐」の対極に位置するものは「赦免(しゃめん)」であり、相手の罪を「赦(ゆる)す心」だ。前半では「小池百合子と同じやるやる詐欺」だなんて書いちゃったけど、神様が「復讐するは我にあり」と言ってくれてるんだから、別に特定の神様を信じてなくても、相手が改心しなければ必ず自滅すると信じて、自分は「赦免」を選択したい。これが「憎しみの連鎖」を断ち切る唯一の道であり、「目には目を、歯には歯を」では、世界から戦争は永遠になくならないと思った今日この頃なのだ。
(『きっこのメルマガ』2024年3月13日号より一部抜粋・文中敬称略)
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