しかし、プーチンは「ウクライナがやった」とプロパガンダする
あらゆる状況から、今回のテロは「IS」がやったこと間違いありません。
しかし、それで恥ずかしい状態に置かれているのがプーチンです。というのも、プーチンは、3月19日の演説の中で、アメリカの警告を「脅迫だ!」と一蹴したからです。ところが、実際にテロが起こってしまった。
誰の責任ですか?そう、アメリカ諜報の警告を笑い飛ばしたプーチンの失態です。
ですが、大丈夫。プーチンは、国内メディアを完全に支配しているので、自分の権威が失墜しないよう、どうにでもすることができるのです。
それだけでなく、プーチンは、今回のテロを、自分の政治目的達成のために利用すらします。どうやって?
ISが、「俺たちがやった!」と宣言し、証拠動画を提示しているにもかかわらず、「あれは、ウクライナがやった!」と根拠のない主張をしています。『読売新聞オンライン』3月23日。
プーチン氏は23日の演説で、容疑者らが「ウクライナに向けて逃亡しようとした」と指摘し、「ウクライナとの国境を越えるための『窓口』が用意されていた」と述べた。ウクライナ側がテロに関与した可能性を示唆するかのような主張を展開した。
なんというか。真の諜報員というか、彼にとって事実は、どうでもいいのです。重要なのは、「いかに現状を、自分の都合のいいように利用するか」です。
これから起こってくること
クレムリンは、これからどう動くのでしょうか?
国内では、「IS説」を意図的に隠し、「ウクライナ説」を拡散していきます。そして、外国においても、「ウクライナ説」と「ISの背後にアメリカがいる説」を拡散していくことでしょう。
だから皆さん、じっくり日本の言論空間をウォッチしていてください。「ウクライナ説」「ISの背後にアメリカがいる説」はクレムリンが、流布している「フェイク情報」です。
まとめ
まとめます。
- 3月22日のテロは、イスラム国ホラサン州(ISIS-K)の犯行
- アメリカは3月7日、クレムリンに「テロの可能性」について警告していた
- しかし、警告があった3月8日、9日にテロは起こらなかった
- プーチンは、この警告について「アメリカが選挙前にロシアを不安定化させたかっただけ」と確信した
- プーチンは3月19日の演説で、アメリカのテロに関する情報をフェイクと笑い飛ばした
- しかし、アメリカの情報は事実で、ISによるテロが起こってしまった
- プーチンは、ウクライナに罪をなすりつけることにした
クレムリンは今後、国内でも外国でも「ウクライナ説」「ISの背後にアメリカがいる説」を拡散していくでしょう。しかし、それは「フェイク情報」なので、騙されないよう気をつけましょう。
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image by: Aynur Mammadov / Shutterstock.com









