リーマン・ショック、サンダース現象からアレクサンドリア・オカシオ=コルテスへ
2008年のリーマン・ショック以来の長引く不況の中で、若者の就職事情は厳しい状況が続いている時代でした。
そんな中で、「チェンジ」を掲げて発足したオバマ政権への失望が広がり、若者たちの中に反発心が拡大したのでした。
その根源には、リーマンショックの際に「TARP」という金融安定化政策が取られ、総額7000億ドルの枠組みの中から約2000億ドル(現在のレートでは30兆円強)が金融機関へ注入されたという記憶がありました。
当時の若者達は、そんなカネがあるのなら、俺達に寄こせとか、ウォール街は「ズルい」と言って激怒したのです。
正確に言うと、この2000億ドルのほとんどは「普通株の購入」という形で注入されており、各金融機関が再生した後には「政府は株を売却」しています。
その際にはトータルで差益が出ており、結果的には政府としては儲かっているのです。ですが、若者たちはとにかく「ズルい」ということで怒ったのでした。
その記憶はやがて、2016年の選挙におけるサンダース現象に発展していきます。
ほかならぬ民主党左派の誕生で、その中からはAOC(アレクサンドリア・オカシオ=コルテス)などの次世代リーダーも出てきているわけです。