2の青年学級でのプログラム実施では、公民館が行ってきた障がい者の生涯学習機会である青年学級から教えられながら、新しいコンテンツを開発する事業である。東京都国分寺市の「くぬぎ学級」、東京都国立市の青年学級が舞台となる。ここで音楽プログラム「夏の音楽会」「クリスマス音楽会」を実施し、受講者らへの学びを提供し、支援者やボランティアとともに新しい学びの形を考えていく予定である。
3の「社会教育施設のインクルーシブな学びの場づくり研究と展開」は、これまでの2年で指定管理として様々な文化施設を運営するサントリーパブリシティサービス株式会社とともに、障がい者の学びの場づくりを研究し、作成した「ガイドライン」をもとに、研修や検討を行い、ガイドラインの確定と、その展開を行う。同社が運営しているホールや美術館のほか、自治体が運営する生涯学習センター等と連携し、社会教育施設での「場づくり」の活性を目指すものである。
みんなの大学校のオンラインでの学びの提供は毎年300講座以上を実施し、延べの受講者は年間1500人を超す。
私が担当する「音楽でつながろう」は特別支援学校を卒業した重症心身障がいのある受講者にとっては唯一の「学び」の接点として静かに関係者に広がり、年々参加者が増えている。自宅で家族と一緒に参加するパターンや、自宅でヘルパーさんと見るのもあれば、生活介護事業所に通所し、その通所先で通所する方々と一緒に見る形も増えている。
この講義は「重症心身障がい者の方を中心に」との考えで、オンライン上のやりとり、コミュニケーションの受け答えにゆっくりとした時間をかけて、オンラインでも受講者どうしが「つながっている」を意識したプログラムである。
これは、重症心身障がいのある方の「分断」であり、インクルーシブとの矛盾に見えるかもしれないが、普段つながれていないところとオンラインを通じてつながれることが優先であり、その形を示すことが、インクルーシブの第一歩との考えだ。最後の1年、どんな発見があるだろうか。
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