「ミスター統一教会」兼「ミスター裏金」が果たした大役
また、自公の組織票欲しさに、旧統一教会問題や裏金問題の中心人物で役職停止の党内処分を受けていながら自民党都連会長に居座る萩生田光一氏と結託して、自公からの支援を取り付けていました。にも拘らず、裏金自民との関係が争点化されるのを嫌って自民党色は一切表に出しませんでした。そもそも、小池氏は元自民党清和会に所属する国会議員でした。上記の公開討論の一つでは、裏金との関りを蓮舫氏から突っ込まれていましたがはぐらかしていました。とにかく、都民からのまっとうな審判を避けるために、逃げたり隠したりのありとあらゆる「ズルい策」を弄したのです。
さらに、「ズルい策」はそれだけにとどまらず、現職の立場を利用して選挙直前の6月末から非課税世帯に対して1万円のクーポンを配るなど、公金を使った露骨な選挙買収のようなことまで行っています。その他にも、東京都下の首長52人による出馬要請の自作自演疑惑、「都知事定例会見」を利用した選挙活動、選挙期間中の公務を装った現地視察など、公選法136条の2で規定する「公務員等の地位利用による選挙運動の禁止」に違反している可能性もあります。
定例会見の問題については、弁護士の郷原信郎氏と神戸学院大学法学部の上脇博之教授から東京地検に告発状が提出されています。なお、今回の選挙でも経歴に「カイロ大学卒業」と記したことで、元最側近の小島敏郎氏からも事前の予告通り東京地検に告発状が出されています。小島氏は「嘘は良くない。検察は捜査に乗り出してほしい」と語っています。
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さまざまな面から、まっとうな民主主義のルールに則った選挙とはとても言えないような状況でしたが、フタを開ければ小池氏の圧勝、しかもNHKの開票速報では、投票締め切りと同時に当確が出るいわゆる「ゼロ打ち」でした。
この結果をどのように受け止めれば良いのでしょうか。
繰り返しになりますが、整理すると、裏金問題で国民から猛烈な反発を受けている与党は候補者を立てることが出来ずに、ステルスで小池氏の支援を決めました。その立役者が「ミスター統一教会」兼「ミスター裏金」の萩生田光一氏です。
その小池氏は、2期8年もの間、都知事を務め、その実績について、都民は正しく把握していなければならないにも関わらず、小池氏の言葉巧みな嘘に騙されている人が大勢います。そして今回の選挙では、とにかく逃げの一手、疑惑の追及や政策論争からは逃げ続け、徹底して目立たない選挙戦術に徹しました。その作戦が功を奏して無党派層の取り込みにも成功し、結局、反小池の票は無名の新人候補だった石丸氏と、もともと反自民・非小池を掲げて立候補した蓮舫氏の二人に分散してしまい、小池氏の圧勝に終わりました。
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