「アッコにおまかせ!」が平気で流した誤情報。マスコミの全面バックアップで小池百合子氏は4年間の“やりたい放題期間”を得た

 

読者の質問に答えます!(Q&Aコーナー)

Q:東京都知事選が終わりましたね。私は小池さん以外であれば、蓮舫さんでも石丸さんでもどちらでもよいという考えでしたので、対抗馬をひとりに絞って小池さんと1対1の構図であれば結果は変わったのでしょうか。これからまた小池都政が4年間も続くと思うと、週明けからずっと暗い気持ちです。また小池さんに投票した周囲の人達にも聞いてみたのですが、「とにかく蓮舫は好きじゃない」「石丸なんてそもそも知らない」「消去法で小池しかなかった」と消極的な返信でした。首都東京はどうなるのでしょうか?

辻野さんからの回答

今号のメインコラムではまさに東京都知事選を総括しました。既にそこにも書きましたが、本来の正しい判断は、ご質問者の周囲の方々のご意見とは真逆で、消去法では真っ先に小池氏が消えるべきだったのではないでしょうか。ちゃんと小池氏の実像を知っている人や、政治家としての実績や人となりを調べている人にとっては、小池氏の3選だけは絶対に阻止しなければならない、と考えるのが自然だったと思います。

小池氏に投票する人達は、小池都政によって何らかの利益供与を受けている人たちに加えて、小池氏の実像を何も知らない人たちがほとんどだったのではないでしょうか。ですから、自公の組織票、本来蓮舫氏を支援する立場の連合や労組の組織票、東京都医師会などの組織票に加えて、既存左派政党を嫌っていてあまり小池氏のことを知らない無党派層などが小池氏に投票したのだと思います。

石丸氏と蓮舫氏の得票を合わせると小池氏の得票を上回りますから、ご指摘のように対抗馬を1人に絞れば結果が変わった可能性もあったと思います。以前にも述べましたが、私個人の考えは、今回、小池氏の都政を終わらせることが国政の是正にも繋がっていくと思っていましたので、「誰を選ぶか」ということよりも、「小池氏を落とす」ことが最優先されるべき選挙だと考えていました。そのような観点から、石丸氏でも蓮舫氏でも、2番手に立つ人に票を集中させることが肝要と主張してきましたが、もちろんそんなことにはならずに、想定通り両者の間で票が割れて結局小池氏を勝たせてしまいました。

これによって、小池都政は更に盤石になり「百合子ファースト」の独裁色を強めることになると思われます。もはや小池氏の周囲に意見出来る人は誰もおらず、都議会で行なわれてきた答弁拒否や反対議員の排除、特定企業や団体などへの都職員の大量の天下り、露骨な利権政治、弱者切り捨てなどが今後も続いていくことになるでしょう。「東京大改革3.0」なるスローガンの下、神宮外苑、日比谷公園、葛西臨海公園等の樹木伐採や築地跡地も含めた再開発も大手を振って進んでいくことになります。都民が小池氏を再び選んだのですから文句は言えません。日本の政治を是正する上でのきっかけになるべき大切なチャンスを逃した代償は大きいのではないでしょうか。政治に関する話ですから、もちろん異論も大いにあるでしょうが、私自身は今回の結果を大変残念に思っています。

今、ちょうどXのタイムラインに紀藤正樹弁護士の以下のような投稿が流れてきました。広済堂ホールディングスには家電量販のラオックスを買収した中国資本が入っていますが、我々の知らないところで、都下の公益事業がどんどんおかしなことになっていることの一端でしょうね。腐敗は見えないところから広がっていくものです。

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辻野 晃一郎(つじの・こういちろう):福岡県生まれ新潟県育ち。84年に慶応義塾大学大学院工学研究科を修了しソニーに入社。88年にカリフォルニア工科大学大学院電気工学科を修了。VAIO、デジタルTV、ホームビデオ、パーソナルオーディオ等の事業責任者やカンパニープレジデントを歴任した後、2006年3月にソニーを退社。翌年、グーグルに入社し、グーグル日本法人代表取締役社長を務める。2010年4月にグーグルを退社しアレックス株式会社を創業。現在、同社代表取締役社長。また、2022年6月よりSMBC日興証券社外取締役。

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【著者】 辻野晃一郎 【月額】 ¥880/月(税込) 【発行周期】 毎週 金曜日 発行

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