石丸氏と維新幹部の間をとりもった橋下氏だったが
石丸氏と橋下氏は2022年8月20日、ABEMA の「NewsBAR橋下」で対談したのがきっかけで知り合った。橋下氏は、当時、安芸高田市長だった石丸氏の政治手法が、自分の大阪府知事時代と似ていると絶賛した。
今年6月、都知事選への立候補を決めた石丸氏と、東京の維新幹部の間をとりもち、両者の会合を実現させたのは橋下氏だった。
石丸氏は政党の支援を受けるつもりはなかったが、メディアに泡沫扱いされないために維新のステルス的な応援が可能かどうかを確かめたかったようだ。「応援するのであればステルスではなく、推薦しかない」という維新の回答により、話は流れた。
橋下氏はフジテレビの情報番組「めざまし8」に出演し、落胆と不満をこめてこう語った。
「僕も大阪で実は石丸さんと同じような政治スタイルを目指してやってきたつもり。いつの間にか自分がつくった政党の国会議員が自民党より自民党ぽい政治家になってしまった」
橋下氏が大阪府知事となったあと、自民党大阪府議団を離脱した松井一郎氏らと組んでつくったのが大阪維新の会だった。親分肌である松井氏の政治力に党運営を依存し、安倍晋三元首相や菅義偉前首相との親交を深めるなか、維新上層部には自民党的な体質が根強く残ってきた。橋下氏や松井氏が自分の都合で引退したためにタガが外れ、自民党に先祖返りしたかのごとき姿をさらしているだけのことだ。
それでも橋下氏の気持ちはおさまらない。「X」への投稿は、もっと辛辣だった。
今回維新が公に付いたなら石丸さんの160万票はなかった。今の維新国会議員の感覚がズレている象徴例。ここは自民のようステルスで携わらせてくださいとお願いすべきだった。国会議員というだけで自分たちの力を過大評価してしまったのだろう。
維新とくっついた石丸氏など、誰も見たくはない。ステルスであろうと、維新の支援を受けないのが正解だった。