「石丸新党」が起こす野党再編の大波。石丸伸二氏が「維新に取り込まれる」心配はないと言える理由…橋下徹氏との会話にヒント

 

改革とは真逆の存在、馬場維新という「第2自民党」

5月16日発行の当メルマガ「維新の凋落、自民寄りの地金出す馬場代表に責任あり」で、筆者は維新の現状についてこう書いた。

改革政党を標榜する維新は昨年4月の統一地方選・衆参補選での大勝利をピークに、徐々に党勢が弱まってきている。莫大な税金の無駄遣いが指摘され、建設工事の遅れで予定通りの開催すら危ぶまれる大阪・関西万博のせいだけではない。馬場代表の自民党寄りの地金が出すぎて、維新のめざす政権ビジョンがはっきりしなくなっている。(中略)馬場代表がその気になっていきり立つほど、政治家としての器の小ささが目立ってくるという矛盾が、今の維新にはある。

「維新は第2自民党でしかない」という批判に対し、「第1自民党と第2自民党でいいんです」と公言してはばからない馬場氏に焦点をあてて、維新の問題点を指摘したつもりである。

馬場氏のこうした考え方に、吉村洋文・大阪府知事や大阪の地方議員たちは不満を抱いていたが、最近になって一気に党内の亀裂が表面化した。

直接のきっかけは、政治資金規正法改正についての自民党との合意をめぐるゴタゴタに、大阪側から不満の声が噴出したことだった。

政治資金規正法の改正について、維新は、政策活動費の領収書を10年後に公開するなどの修正を自民党に加えさせたうえ、衆院で賛成し、参院では反対した。なぜそんなことになったかというと、維新が賛成の前提条件とした旧文通費の改革をめぐり自民党との間に行き違いが生まれたからだ。

馬場代表は岸田首相との党首会談で「(旧文通費の使途公開など)を100%丸呑みさせた」と鼻高々だったが、自民党が通常国会での法改正を見送る方針を決めたため、面目をつぶされる形となった。馬場代表は「嘘つき内閣」と罵り、参院では異なる対応を指示した。

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