がん闘病生活中に経済評論家・山崎元が気づいた「お金と人生の本質」とは何か?

 

さっそく、気になるポイントを赤ペンチェックしてみましょう。

情報は欲しいのだが、情報は、判断するという行為とセットではじめて有益になり得るものであって、判断できない情報や判断に時間が掛かり過ぎる情報は却って邪魔になる

結論から言うと、筆者はがん保険に入っていなかった。しかし、それで何の問題もなかったし、がん保険に入らないという意思決定は、筆者以外の広い範囲の人にとってこれからも正しい

保険一般として、利用の判断基準は、「損か、得か?」ではなく、「損だけれども、必要か?」であるべきだ

宝くじは、別名「無知への税金」とも言われているボッタクリ商品

保険それ自体は、(1)滅多に起こらないことだけれども、(2)起こった場合の損失が破滅的に大きい、リスク・イベントに対して、人が集団で対処する巧妙で賢い仕組みだ。(中略)保険を利用することが経済的意思決定として正当化されうる必要条件は、この(1)と(2)を満たすことだ

地位財は、その効用が相対的に決定し、他人との競争がエスカレートしやすい。その結果、地位財への支出はしばしば、非地位財への支出を圧迫し、生活の幸福度を下げる原因になる。非地位財の典型は「余暇の時間」だ。例えば、競争に巻き込まれて分不相応な不動産を購入してしまって、ローンの返済のためにストレスの多い職場で長時間働かなければいけなくなるような状況では、幸福度が下がる

働き方・稼ぎ方は、10年に一度程度リニューアルしないと古びて効率が落ちてくる

山崎式・終活のセオリー6箇条

(1)なるべく長く働く

(2)住居は縮小し、モノを減らしてシンプルに暮らす

(3)便利な場所に暮らす

(4)介護が必要になったら、施設へ

(5)相続は、本人のアタマがしっかりしているうちに

(6)お墓・お寺と縁を切って、弔いはシンプルに

長期投資でリスクを低減できるとよく言われるが、これは金融論的には誤り

若い頃から収入の一定割合を貯蓄して大きな金融資産を早く作ろうとすることは、お金の有効な使い道を逃しているという意味で人生がもったいない。あるいは、自分が死ぬ直前に生涯最大の金融資産額を持っているような人生は、お金の使い方として無駄が大きい

「怒り」が「損得」を上回った時に、人は、損得を離れて、損得以上に大切なものに目を向けることができます

投資に関する部分は、正直、参考になりませんが(連載当時、参考にした人がいれば、今頃大損しているはずです)、著者ががんになって悟った人生の本質については、本当に勉強になると思います。

なかでも、人は怒りによってお金より大事なことに気づく、という視点は斬新でした。

ぜひ読んでみてください。

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Amazon.co.j立ち上げに参画した元バイヤー、元読売新聞コラムニスト、元B11「ベストセラーBookV」レギュラーコメンテーター、元ラジオNIKKEIレギュラー。現在は、ビジネス書評家、著者、講演家、コンサルタントとして活動中の土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介。毎日発行、開始から既に4000号を超える殿堂入りメルマガです。テーマ:「出版/自分ブランド/独立・起業」

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【著者】 土井英司 【発行周期】 日刊

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