地震後の復興は望み薄か。高まる「自助と自己責任」の比重
いずれにせよ、前回の大規模な地震からすでに80年ほど経っているため、最大クラスかどうかは別として、近い将来、南海トラフで大地震が起きるのは間違いない。最悪の場合は、静岡県から宮崎県にかけて最大震度7の非常に強い揺れと、太平洋沿岸の広い範囲で10メートルを超える大津波に見舞われるのを覚悟しなければならないということだ。
各自治体が進めてきた防災・減災対策はいわば応急対策だが、復旧、復興に向けての長期的対策については「まだ十分な検討が行われておらず、具体化が進んでいない」(国土交通省)という。
たとえば、基幹産業が高度に集積している太平洋ベルト地帯が打撃を受けたら経済は大混乱に陥る。全国規模で機能を補完し合う体制を整えておかねばならない。
また、数百万人規模の人々が長期にわたる避難生活を余儀なくされる可能性があるが、その場合の対応をどのようにするのか。そして、復興まちづくりをどう進めるのかなど、早急に具体策を練るべき課題は数多い。
南海トラフ地震の防災対策は政府目標のように進まず、長期的な復興政策となるとまったく手がつけられていないといっていい。東日本大震災の経験があるとはいえ、首都圏から中部、関西の大都市部を含む日本列島の広範囲が破壊されるとしたら、その影響は計り知れない。警察、消防、自衛隊などの救助活動にも限界があるだろう。
つまるところ、自己責任で命を守るしかないということか。であるなら、そのためにどのような備えが必要なのかを、今のうちに本気で考えてみなければならない。
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