ようやく見えた安倍政治の終焉。石破氏の総裁選勝利でギリギリ回避できた“嘘と開き直りの政治”への逆戻り

 

自民党内の世代交代が一気に進むことを期待

良かったことその1

まず、前号でも書いた通り、石破氏が日米地位協定の見直しに言及したことは高く評価できると思います。この不平等条約が戦後80年近くもの間手つかずできたことは異常なことであり、戦後処理が未だ中途半端なまま収束していないことの証左でもあります。日米関係を現在の従属的なものから対等なものにしていく上では避けて通れない一歩であり、まさに石破氏がそこに命を懸けて向き合うということであれば、日本国民としてはしっかり応援していくべきでしょう。

良かったことその2

これまで、菅氏や岸田氏など、自分の言葉で政策を語ったり、アドリブで記者や野党議員からの質問に答えたりすることができない首相が続きましたが、少なくとも石破氏は自分の言葉で目指すべき国家像や政策が語れる人ですから、その考えに賛成にしろ反対にしろ、国民や野党からしてもちゃんと議論ができる相手だと思います。こんなことは当たり前のことなのですが、長くそのような人が首相にならなかったので、これも良かったことです。

良かったことその3

総裁選で支援に回った候補がことごとく敗れた麻生氏の失脚も良かったと思います。麻生氏については、総理時代の失政で自民党が下野するきっかけとなった人ですが、なぜかこれまで「キングメーカー」などと呼ばれて影響力を保持してきました。今回、最高顧問という名誉職を与えられ実質的に影響力を失ったことは、いびつな長老支配終焉の第一歩を示すものとして良かったと思います。

旧安倍派が壊滅したことで森喜朗氏の影響力も薄れることになるでしょうし、副総裁に処遇された菅義偉氏も映像を見る限り衰えが隠せず、二階俊博氏も次の選挙では引退することになっているので、自民党内の世代交代が一気に進むことを期待したいと思います。新たなキングメーカーとして岸田氏が意欲満々のようですが、大人しく引っ込んでいてもらいたいものです。

良かったことその4

河野太郎氏の失脚も良かったと思います。行政のデジタル化はまさに待ったなしの重要課題ですが、この人がデジタル担当大臣になったことによって、マイナ保険証など、最初からボタンの掛け違いや強引な進め方で国民の不信を広げ、逆にデジタル化を遅延させる障害となっていた印象です。

X(旧ツイッター)で気に入らない発言を見つけると片っ端からブロックしたり、記者会見や国会質疑などでも、気に入らない質問には一切答えないなど、そもそも政治家としての資質に大きな問題がある人です。「デジタル」は「オープン」と表裏一体ですが、彼のような性癖はデジタル担当としても不向きでした。

総理候補になること自体があり得ないことだと思っていましたが、今回の総裁選では党員票も国会議員票もほとんど集めることが出来ずに下から2番目の惨敗に終わりました。このまま政界から消えてもらうのが良いと思います。ちなみに、この人が如何にデタラメな人であるかについては、以下のBBCの番組を観るだけでもよくわかりますのでご参考まで。

HARDtalk Taro Kono ? Minister for Digital Transformation, Japan

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