円安再進行に警戒感、「年内利上げ」も選択肢の1つに
その風向きがまた変わる動きがありました。9月の米雇用統計が一転して予想以上に強いものとなったことから、その指標を受けて現地4日にはドル円が一時149円台まで円安となりました。市場にはまた150円台に戻るとの観測まで出ました。
これを見て財務省の三村財務官が7日、さすがに口先介入に出ざるを得なくなりました。「為替市場の動きは緊張感をもって注視する」と述べ、ドル円は147円台まで押し戻されました。しかし、その後また148円から149円台に円安気味の動きとなっています。
日銀の追加利上げの背後には、行き過ぎた円安が必要以上に物価押上げ圧力になるとの判断がありました。そして追加利上げで一旦140円まで押し戻しましたが、ドル金利上昇もあってまた150円を脅かす動きとなり、財務省も注視するようになりました。
日銀の利上げにより、金利差を縮小し、円安エネルギーを削ぐことが再び正当化されようとしています。年内利上げはないと決めつけないほうがよいでしょう。
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