前提の1、ペンシルベニアの重要性
今回の大統領選でも、最も注目されているのはペンシルベニア州です。ここまで検討してきたように、前回2020年、前々回2016年の直近2回は、ペンシルベニアが勝敗を決定づける重要な州となったからということもあります。ちなみに、今回を含めた2016、2020、2024の3回の選挙においては、ラストベルトの3州、つまり、ミシガン、ウィスコンシン、ペンシルベニアが極めて重要だとされてきました。
この3州については、3州ともに、2012年までの6回の選挙は全て民主党が勝利(順に、クリントン、クリントン、ゴア、ケリー、オバマ、オバマ)しています。基本的に製造業を中心とした組合の組織票が強いこと、東部の気風、シカゴ経済圏の持っている中北部のリベラルな気風などが背景にありました。
ですが、2016年の選挙では、この3つの州をトランプが取ったことで、全体も勝利した選挙だったという解説がされていたわけです。反対に、2020年の選挙では、3つの州を全てバイデンが奪還したことが勝利に繋がりました。ちなみに、2020年の場合も、両陣営は最終段階での決戦場をペンシルベニアに絞っていました。
今回も全く同様の構図となっています。
前回は、結局そのペンシルベニアの当確が出るのに4日かかったので、全体としてのバイデンの当確も土曜日にずれ込みました。これは「郵送と期日前の投票用紙を事前集計しない」という法律に基づいて開票するためですが、今回はこの法律に基づいて「投票日当日の午前7時からは集計を開始する」ということのようで、そのために、開票結果は前回よりは早まる「かもしれない」という報道があります。ですが、やはり大勢の判明は当日の深夜にはとても無理であり、早くても金曜日だという説もあります。
前提の2、基礎票の確認
ここで、今回も、選挙人獲得数(総数538、当選ライン270)における両陣営の「基礎票」を確認していくことにしましょう。
まず、民主党のハリス陣営ですが、以下の「226」については、かなり確度は高いと言われています。これを「ブルー」として、ハリスの基礎票としておきます。
・カリフォルニア・・・・・54 ・ニューヨーク・・・・・・28 ・イリノイ・・・・・・・・19 ・ニュージャージー・・・・14 ・ヴァージアニア・・・・・13 ・ワシントン州・・・・・・12 ・マサチューセッツ・・・・11 ・ミネソタ・・・・・・・・10 ・メリーランド・・・・・・10 ・コロラド・・・・・・・・10 ・オレゴン・・・・・・・・・8 ・コネチカット・・・・・・・7 ・ニューメキシコ・・・・・・5 ・ロードアイランド・・・・・4 ・ニューハンプシャー・・・・4 ・ハワイ・・・・・・・・・・4 ・デラウェア・・・・・・・・3 ・ヴァーモント・・・・・・・3 ・ワシントンDC・・・・・・3 ・メインの一部・・・・・・・3 ・ネブラスカの一部・・・・・1
一方のトランプ陣営ですが、鉄板の基礎票は以下の「213」とされています。これを「レッド」としておきましょう。
・テキサス・・・・・・・・40 ・フロリダ・・・・・・・・30 ・オハイオ・・・・・・・・17 ・テネシー・・・・・・・・11 ・インディアナ・・・・・・11 ・ミズーリ・・・・・・・・10 ・サウスカロライナ・・・・・9 ・アラバマ・・・・・・・・・9 ・ケンタッキー・・・・・・・8 ・ルイジアナ・・・・・・・・8 ・オクラホマ・・・・・・・・7 ・ミシシッピー・・・・・・・6 ・アーカンソー・・・・・・・6 ・カンザス・・・・・・・・・6 ・ユタ・・・・・・・・・・・6 ・ウェストヴァージニア・・・4 ・アイダホ・・・・・・・・・4 ・ネブラスカの一部・・・・・4 ・ノースダコタ・・・・・・・3 ・サウスダコタ・・・・・・・3 ・モンタナ・・・・・・・・・4 ・ワイオミング・・・・・・・3 ・アラスカ・・・・・・・・・3 ・メインの一部・・・・・・・1