「いつでも核を落とせる」プーチンが核弾頭搭載可能の弾道ミサイル発射で尽きかける全世界とウクライナの命運

 

「ロシアに今、負けてもらっては困る」。中国の思惑

またロシアによるウクライナ侵攻以降の欧米の対応、特に経済制裁の内容については、中国政府内で真剣に分析されており、仮に中国が核心的な利害と位置付ける台湾の“防衛”および“統一”に打って出なくてはならない時に、どのような制裁が課され、それに中国はいかに耐えることが出来るかが、今、検討されています。

その点でも、中国の外交・安全保障の専門家によると「ロシアに今、負けてもらっては困るので、中国は見えない形でロシアを支え、共同で欧米の影響力に抗戦する体制を取る必要がある」とのこと。

ということは、もしトランプ政権が誕生して、本当に早期にロシア・ウクライナ戦争が停止または終焉するようなことがあれば、アメリカの次のターゲットは、仮に中東情勢が相変わらず混乱をきたしていても、中国になると思われます。

ゆえに中国としてはロシアを間接的にでも支え、何らかの形でロシアに勝ってもらう状況に持って行くか、または以前から噂されているように、本気でロシア・ウクライナの仲介に乗り出し、調停役として停戦を作り出して、post-Ukraine warの国際秩序作りの主導権を握るかという選択を、そう遠くないうちに行う必要が出てきます。

それが今の中国にできるか?そもそもする気があるのかは分かりませんが、水面下でロシアとウクライナの調停を行っていたカタール政府は、イスラエルとハマスの調停に加えて、こちらの仲介も一旦停止したとのことですので、スペースは空いていると思われます。

今回のアメリカ・バイデン政権による大きな賭けが、大きな後悔に繋がらないように心から願い、祈りますが、私たちが見聞きしている以上に、国際情勢は緊迫度を高め、いつ同時に多方面から破裂して、取り返しのつかない事態に発展する可能性が高まっています。

これまでにも国際社会はそのような危機的状況を、協調によって乗り切ってきましたが、世界の分裂が鮮明になる今、その調整機能をまた期待していいのか、非常に心配しています。

来年1月に誕生するトランプ政権が、いい意味で予想を裏切ってくれ、再び国際協調を復活させる軸になってくれるといいのですが…。

以上、今週の国際情勢の裏側のコラムでした。

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