辛坊治郎氏が「斎藤知事報道」に感じる怒り。オールドメディアで40年間飯を食ってきた業界人として今、人々に伝えたいこと

 

テレビの現場で日々交わされる「危うい会話」

大勢の視聴者を集める高視聴率番組が経営的に「優秀な番組」とされるのは当然です。ですから現場は局の経営陣に尻を叩かれて、毎日視聴率と格闘することになります。

この視聴率、番組を通しての平均値だけでなく、一分ごとの折れ線グラフ付きで担当者に通知されます。前日の視聴率グラフを見て、担当者は翌日の放送内容を決めるのです。

例えば、現場ではこんな会話が交わされます。

斎藤知事の「おねだり」、数字取るねえ。

コメンテーターのH氏が斎藤氏をボロカスにののしってるあたりが視聴率のピークだねえ。芸能ネタはダメだなあ。

今日は全編「斎藤おねだり」で行くぞ!

という風にして番組内容が決まっていきます。

冒頭の新聞連載の見出しをもう一度見てください。「閲覧稼ぎ 論調ゆがむ」と見出しにありましたが、この「閲覧」を「視聴率」に置き換えて記事を読むと、色んな事が浮かび上がってきます。

古いネットスラングの罵倒用語に「必死だな」というのがありますが、今回の知事選で存亡の危機に立たされた既存メディアの必死さが記事の見出しからしみじみ伝わってきます。

今回、どうあっても既存メディアは選挙結果を受け入れる訳にはいかないのです。

今起きているのは、そういう事です。

既存メディアで40年間飯を食ってきた私が言うのだから間違いありません

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