何を言っているか理解不能。演説内容も支離滅裂なトランプに心配される「認知症」の深刻化

 

何を言っているかさっぱり分からない演説の支離滅裂

多くの国がそうしているが、突然ミルウォーキーから、あるいはどこにいようとも去っていると聞いている。それを見るのはとても悲しい。とても単純なことだ。それはイーロンのロケットが着陸しようとしていた月面の12インチ以内に着陸するのとは違う。エンジンを取り戻せるわけでもない。エンジンを見たのは3、4年前だ。シリンダーだけで、翼も何もなく、非常にゆっくりと降りてきて、どこかの海の真ん中に円形のいかだに乗って着地する。ドカン。

バイデンが以前持っていた円形を思い出した。彼は8つの円形を持っていたが、それを埋めることはできなかった。しかし、その後、彼は一般投票で私たちに勝ったと聞いた。わからない、わからない。彼は8つの円形を埋めることはできなかった。私はいつもあの円形が大好きだった。とても美しかった。見ていてとても美しかった。でも彼らは人を集められなかったから、その円の中に報道陣を立たせていたんだ。人を集められなかったから。それから私たちは負けたと聞いた、ああ、負けたって。もう2度とそうならないようにする。

でも私たちは他国に虐待されてきたんだ。他国以上に私たち自身の政治家に虐待されてきた。彼らを責めることはできない。私たちはこの国で私たちを代表する人たちに虐待されてきた。率直に言って、彼らの中には愚かな人もいれば、世間知らずの人もいれば、ひねくれている人もいる。

ウィスコンシン州ミルウォーキーはミシガン湖の西岸にある工業都市で、南に下るとイリノイ州シカゴ、そこから東に向かうとミシガン州デトロイト、さらに東はペンシルベニア州ピッツバーグで、ここがかつて北東部の工業地帯として栄え今は「ラストベルト(錆びついた一帯)」と呼ばれているところです。

引用の最初の部分は、どうもミルウォーキーはじめこの一帯から企業が去り工場が閉じられて行きつつあることを悲しんでいるらしいと推測できる。そこで突然イーロン・マスクの宇宙開発会社「スペースX」が出てくるのは、衰退する旧態依然の企業と違ってイーロンが最先端の技術で成功しつつあることを賞賛しているのでしょう。

ロケットがゆっくりと降りて12インチの月面に着陸するとか円形のいかだで海面に着水するとかは、スペースXがロケットを使い捨てにせずに回収して再使用できる技術を達成したことを指しているのかもしれないが、話はそこでバイデンが設けた8つの円形の話に飛び移ります。

これはどうも、コロナ禍の下でバイデンが演説した際に床にいくつかの円を描いて聴衆を分散させようとしたことがあったらしく、しかしその話は、そんなことをしてもバイデンは不人気で人をたくさん集められなかったという揶揄につなぎ、さらにそのように人も集められないバイデンが選挙で勝ったと称しているのは理解不能だと言いたかったようです……。

以上は、主に米国のネット上でこの発言個所の解釈を巡ってこうじゃないか、ああじゃないかと議論が飛び交っている中から「そうかもしれない」と思える極一部をピックアップしただけで、要するに全体としては何を言っているかはさっぱり分かりません。

このトランプ演説の全容はデトロイト経済クラブのHPに映像が公開されていて、本当にトランプがこんな風なのか確認しようと試みましたが、私のヒアリング能力では細部のニュアンスまでは聴き分けられませんでした。

DEC Presents Special Guest Speaker: President Donald J. Trump

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