SMAPも嵐も。オールドメディアが創り出したアイドルたちの所業の数々
SMAPについては、2001年8月24日、稲垣吾郎が東京都渋谷区内で現行犯逮捕される事件が発生。駐車禁止の路上に車を止め、女性警察官に免許証の提示を求められたが、これを拒否し車を急発進させようとしたため、道路交通法違反と公務執行妨害の容疑で逮捕。
2009年4月23日未明には、草なぎ剛が公然わいせつ容疑で現行犯逮捕。東京都港区の檜町公園で泥酔し、全裸になって騒いでいたという報道があった(*8)。
木村拓哉も2011年9月末と2012年1月にスピード違反を繰り返し、免許停止処分を受けている。当時、トヨタ自動車のCMキャラクターを務めていた木村は、交通ルールの順守を厳しく求められることとなった(*9)。
一方、嵐のメンバーについても、2010年に亡くなったセクシー女優・牧野田彩(AYA)さんとの関係が取り沙汰された。報道によると、櫻井翔を除く4人(大野智、相葉雅紀、二宮和也、松本潤)が牧野田さんと「親しい関係」にあったとされる(*10)。
旧ジャニーズ事務所は、テレビ、新聞、雑誌といったオールドメディアと密接な関係を築き、取材内容や報道に強いコントロールを持っていた。この影響力により、ネガティブな報道が抑えられるケースも多かった。
これらの出来事は、旧態依然とした事務所におけるコンプライアンスの緩さと、事務所の強い影響力を浮き彫りにしている。
公正取引委員会の実態調査で明らかになった日本芸能界の前近代性
年末には、日本の芸能界の前近代性を象徴する、もう一つの動きがあった。
12月26日、公正取引委員会は、芸能界で行われている独占禁止法違反の可能性がある行為について実態調査を行い、注意喚起を発表。特に、芸能人の移籍や独立を妨害する行為(例:「今後の芸能活動を一切行えなくなる」と脅す)(*11)や、移籍先の事務所に対して悪評を流す行為(*12)、複数の事務所が結託して移籍を制限する行為などがあったと報告(*13)。
契約に関する問題についても、契約書を介さず、口頭で契約を行っていた事例が全体の2割超(*14)、契約内容を明示的に説明しない事例が約1割存在し(*15)、あるいは退所後に芸名やグループ名の使用を制限する行為もあったとする(*16)。
さらに、報酬額や支払い方法に関する交渉に応じない(*17)、芸能人が望まない露出の多い仕事を強要する(*18)、放送局との関係で契約条件の交渉ができない(*19)、放送局の都合で仕事が直前にキャンセルされても補償がないといったことを問題視。
公正取引委員会は、これらの行為が独占禁止法上の「優越的地位の乱用」や「取引妨害」「取引拒絶」に該当する可能性があると指摘し(*20)、特に、移籍や独立が「ご法度」とされる業界の慣習に基づく妨害行為については、強い警告を発した(*21)。
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