第2次トランプ政権が「最強の反日勢力」になる理由。大統領就任式の要点、8年前との違い…「無敵状態4年間」のチート級バフが世界を変える

 

(2)暴走と隠居、真逆の可能性がある「4年のタイムリミット」

2点目は、4年のリミットがあるということです。今回の政権は2期目ですから2028年の選挙にはトランプは立候補できません。ですから、任期は4年限定です。

普通の大統領は2期目に入ると、まずは2年後の中間選挙での勝利を目指し、その他には歴史に残る「功績」づくりに努力するようになります。

例えば自分に有力な後継者がいる場合は、その人物が次の大統領選で勝つように応援することもできますが、多くの場合は「それは控え」ます。なぜならば、大統領を退任した後の元大統領というのは、党派を超えてアメリカのために貢献することが求められる、つまり大所高所に立つことが要求されるからです。例えばカーターという人は、それを半世紀近くやったのでした。

ですから、権力という意味では俗にいう「レイムダック化」をするし、「キングメーカー」にもならないのが通例です。

では「トランプ2」はどうかというと、その反対になる可能性があると思われます。まず、現在の状況では2026年11月の中間選挙は、「トランプへの信任投票」とは違う形になりそうです。単純にトランプに批判的な民主党と、トランプ与党の共和党の戦いにはなりません。

まず、トランプは自分の言うことを聞かない共和党議員は、予備選に刺客を送って候補の差し替えを狙うでしょう。そこがむしろ主戦場になります。仮に、そこでトランプ派が勝てずに、クラシックな共和党候補がたくさん残って、結果的に民主党に勝ったとしたら、それがトランプの最悪シナリオです。ポスト・トランプの主導権を「ヴァンス後継」も含めてクラシック共和党に奪われるからです。

仮に予備選でトランプ派が勝って、「それでも」本戦で共和党が勝てばトランプは益々「キングメーカー」になるでしょう。その場合は、最初の2年間でヴァンスが「必要以上に常識的な動き」をして、自分を裏切ると思ったら、ヴァンスを切ることも考えるかもしれません。ヴァンスへの信頼は今は非常に強いようですが、「ポスト・トランプ」を巡る争いは単純ではないと思います。

とにかく、トランプを2度も大統領に押し上げた不満と劣等意識の塊である「巨大な陰キャ票」をトランプは恐らく裏切ることはないし、そのために「キングメーカー」の権力を維持しようとすると思います。ですから、レイムダック化はしないという考え方ができます。

ただし、この説には真逆も成り立つのです。トランプの場合は、まず、最初に申し上げたように不逮捕・不起訴特権を手にしてしまいました。また、今回の「トランプ2」就任前の問題もすべてチャラにできます。ですから、今回の選挙のように選挙に勝たないと自分の身が危なくなる、というリスクは消滅しています。また、巨大なファン票の存在がありますから、退任後も安全は確保されるでしょう。

物理的にはシークレットサービスが厳重警護をしてくれるし、名誉や世評という意味でも1期目の後とはまったく景色が違います。さらにに、カネという面でも「トランプ1」の場合は、個人も家業も事実上の債務超過でアップアップしていました。ですが、現在は巨大なマスク・マネーに支えられて心配はありません。

ですから、2029年以降の政局などという面倒なことを考える必要はなく、サッサと次世代に権力を委譲するという可能性も十分にあります。いずれにしても、キングメーカーを目指して頑張るか、サッサと引っ込むか、御大の健康次第ですが、両極端があり得るということです。いずれにしても、余裕のなかった「トランプ1」とは大違いです。

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