第2次トランプ政権が「最強の反日勢力」になる理由。大統領就任式の要点、8年前との違い…「無敵状態4年間」のチート級バフが世界を変える

 

クラシックな共和党の政策と一線を画する「トランプ主義」

4つ目は、これは強味と弱味の両方なのですが、トランプ1の時代とは違って、クラシックな共和党の政策とは「一線を画したトランプ主義」というのが、明らかになっているということです。1期目は、なにはともあれ「共和党の大統領」であり、「トンデモ政策」は選挙に勝つ、あるいは人気を維持するための方便だと思われていました。

また、トランプ政権の内部も、バノンなどトランプ主義者はむしろ少数であり、多くはクラシックな共和党の人材が多かったのでした。御大の政策や言動も、時々はトンデモであっても、多くの場合は「安全運転」に戻ってバランスを取ったりしていたのでした。

ですが、今回は違います。過激なトランプ流の公約を数多く掲げて当選しており、支持者はその実行を期待しています。さらに時間稼ぎのために、グリーンランド、カナダ、パナマ運河、メキシコ湾など北米大陸の内紛とNATO崩壊の危険な綱渡りゲームまでプレイを始めています。

こうしたトンデモ政策は、求心力になりますが、同時に猛烈な弊害、副作用をもたらすものでもあります。また、一期目と比較して「トンデモ政策」の効き具合が「インフレ化」しているとも言えます。これは麻薬のようなもので、1つが上手くいかないと別のトンデモ政策を出さないといけないなど、倒れるまで過激化ゲームを続けないといけなくなるということです。これは1期目にはなかった不安定要因です。

さらに、1期目の後半はコロナ禍だったという点も、大きく違います。私たちアジア系としては、「武漢ウィルス」というような公言で差別を呼び込んだので、まだまだ許せない面はあります。ですが、コロナ禍のために、トランプは「ワクチンを特急開発」して「支援金をバラまく」というクラシックな政策を行わざるを得なくなりました。危機であったために「強制的に常識的な政策」を取ることになったのです。

ですが、仮に今後の4年間、パンデミックなどの世界規模での危機が起きないとなると、トンデモ政策に期待する有権者と、本当は実行不可能という現実の中で、問題の先送りと口先だけの過激化が必要になってきます。

(5)日本が警戒すべき「極端な安全保障政策」

5番目の問題は安全保障です。これは日本にとって非常に警戒すべき危険な状況です。まず、1期目の場合はロシアとの癒着はスキャンダルで逮捕されて実刑となる者も出ました。ですが、現在はウクライナ戦争の継続する中で、トランプはプーチンとの親近感を隠そうともしないし、それでも当選してしまい、有権者の信認を得ています。

その上でNATO加盟国であるカナダとデンマークを敵視しています。例えばですが、NATO条約というのは「一国への攻撃は全体への攻撃とみなす」という条項を含んでいます。ですから、トランプがカナダを併合しようとしたり、グリーンランドに軍を上陸させたら「西欧全体を敵に回す」ことになります。そうなれば、誰が喜ぶかは明白です。

デンマークとの紛争は、舌戦に終わるだけでも、下手をすると、スウェーデンとフィンランドがNATO加盟した効果を帳消しにする以上の効果があるとも言えます。

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