「重大事態いじめの申請」に焦った校長からの懇願の電話
重大事態いじめの申請をしたところ、校長が取り下げて欲しいと懇願する電話を入れてきたそうだ。本来であれば教育委員会を通じて首長報告しなければならないところ、それをせずに、申請をされたらの動きは何よりも早いという小悪党的行動にあきれるところであるが、これで腹は決まった。
今現在、被害保護者は被害女子生徒の心理的ケアを進めつつ、転校先を探している。確かに本来であれば、被害者が転校することではない。しかし、これは、無関係の誰かが違うだろと批判するようなことではなく、変わることがないであろう地域と学校に裏切り続けられたことで、環境を自ら変える選択をしたのである。2月現在はここまでであるが、サポートを続けていきたいと思う。
「原因不明の子どもの自死」が示唆していること
先日子どもの自死件数が最多というニュースがありました。学校を原因とするものがもっとも多いと出るや否や、いや「問題なのは家庭の方が多い」というニュースや書き込みが多数投稿されました。私はとても残念に思います。何かが起きると誰のせい、どっちが悪い、と犯人探しが始まります。こうしたことが対立を生んだり、その裏側で何らかの利権が絡んでいたりするものです。
そして、よくデータをみている人ならわかると思いますが、実際多いのは、調査が行われていないための「原因不明」なのです。つまり、最も多いのは原因不明で、それは自治体や学校の設置者の他、関係先がまともに向き合わず調査をしないことなのです。
こども家庭庁が調査を始めるようですが、調査をするという着眼は良いとして、およそ様々な団体に声をかけたり、教育委員会に協力を仰ぐのでしょう。しかし、団体などはその活動によって相談者の方向性があります。例えば、私が代表理事を務めるNPO法人ユース・ガーディアンには酷い隠ぺいや重篤ないじめ被害に関する相談が多いという特徴があります。つまり被害側の意見が多く入ってくることになります。一方、予防活動をしている団体さんは学校からの依頼が多く、学校が混乱している様子をよく知っていることでしょう。
つまり、調査をしてその結果を様々な対策に活かそうというとき、どういう調査をするか、何を調査するかなどでその方向性にバイアス(偏向)がないようにしないと、誤った方向に行ってしまうのです。
正しい良き道に向かうよう祈ります。
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