「従来の経済政策ではもうダメ」が国民の共通認識
もっとも、安倍元首相が財務省と本気で喧嘩したわけではない。
今回、自公と維新が政策合意に達した「高校授業料無償化」は、もともと民主党政権で実現していた政策だ。
それを「バラマキ」だとして政権交代後、所得制限の付く現在の形にしたのは財務省の論理に従った当時の安倍首相だったはずである。
予算編成権は内閣にあるが、実質的にそれを主導するのは財務省だ。高い専門性を有する財務官僚の協力がなければ、政治家だけでどうすることもできない。いつものように「財政規律」の論理で政権にプレッシャーをかけ、財務省のペースに持ち込んだのが、今回の自公国予算修正協議といえる。
だが、このまま石破首相が「減税」にそっぽを向き続ければ、その影響は夏の参院選や東京都議選に波及するだろう。都市部を中心として、「減税」を掲げる政党が支持を伸ばすに違いないからだ。
国民は「従来の経済政策ではもうダメだ」と感じている。
成長戦略や財政健全化といったお題目を並べ立ててもどうにもならなかった。低所得層だけではなく、中間層ですら生活苦を感じているのが現状だ。「減税」を期待するシンプルな庶民感情が政治の風向きを変えつつあるように思える。
【関連】「国民の手取りは増やさない」石破首相と維新が下した最悪の決断。なぜそうなる!? 現役世代への裏切り、代償は高くつくか
【関連】#財務省解体デモ ひろゆき氏の誤解がヤバい理由。日本を不法占拠する財務省、潰せば「社会がよくなる」は天下国家の理だ(作家・元国税調査官 大村大次郎)
この記事の著者・新 恭さんを応援しよう
新 恭さんの最近の記事
- 石破、空気読め。八潮市道路陥没で日本に広がる“明日は我が身”感…道を歩けず風呂も入れずに何が「楽しい日本」か?
- トランプvs石破茂の「相互関税ゲーム」で手玉に取られる日本。首脳会談は友好ムードでも国内農業に大打撃の恐れ
- 週刊文春“記事訂正”の罠にハマる中居正広とフジテレビの罪。日枝久の退陣は必然、やりなおし会見で露見した異常性
- 自民・萩生田氏が悩む「櫻井よしこ氏の熱い眼差し」高市応援、石破おろし、選択的夫婦別姓反対…これ俺が全部やる流れか?
- 「ラスボス」は過大評価、宮澤自民税調会長の正体。実態は財務省配下の小ボス…103万円の壁バトルで敗北を悟り震えている
- 故・石井紘基氏を殺したのは“誰の自由”か?自民党政策活動費と特別会計の深い闇
image by:首相官邸









