攻撃されるのは在日米軍基地だけじゃない。台湾有事の米中開戦で「中国からのミサイルが降り注ぐすべての場所」を記した日本地図

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懸念され続けている台湾有事を巡る米中の衝突。もし両軍が戦わば、日本はどのような状態に置かれるのでしょうか。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』ではジャーナリストの高野孟さんが、米シンクタンクによる報告書に記されたショッキングな内容を詳しく紹介。その上で、日本が襲われることになるあまりに悲劇的な未来を予測しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:米中が戦争すれば中国のミサイルが米軍と自衛隊の基地に雨霰と降り注ぐという深刻な予測

【関連】中国なら日本中の全基地にミサイル数千発を降らすことが可能。逃げ場がない我が国で台湾有事の「住民避難計画」が議論されるナンセンス

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

米軍と自衛隊基地に降り注ぐ中国のミサイル。米中戦争を巡る米シンクタンクの深刻な予測

3月19日付『毎日新聞』に「在日米軍基地/中国攻撃なら滑走路復旧に12日/米シンクタンク試算」という記事が出た。米シンクタンク「スティムソン・センター」が昨年12月に発表した報告書「穴ボコ効果(Cratering Effects)/インド太平洋地域の米空軍基地への中国ミサイルの脅威」の紹介だが、90行程度の日本語要約では分かりにくいところもあるので、原文を参照した。

Cratering Effects Chinese Missile Threats to US Air Bases in the Indo-Pacific

今これに注目する理由の1つは、ちょうど10年前にペンタゴンに直結するシンクタンク「ランド研究所」が似たような趣旨の報告書を出したのを思い起こしたからである。430ページに及ぶ同報告書は、中国の短・中距離ミサイルの目覚ましい増強によって日本・韓国のみならずグアムの米空軍基地の滑走路に穴ボコが空けられて航空機が活動できなくなる危険が高まっていると警告した。

これを1つの根拠としてジョゼフ・ナイ元国防次官補(と言うよりブレジンスキー亡き後の民主党系外交・安保政策マフィアのボス)が「東アジアの米軍10万人前進配備を維持する」との構想(95年ナイ・イニシアティフ)を転換、基地縮小を唱え始め、沖縄では米軍主導で基地の再編・撤退が始まるのではとの期待が高まるなど、反響が広がった。

当時本誌はこのランド報告書を抄訳・紹介すると共に、その数年後には、同報告書が2015年時点での2017年までの予測だったので、この続編を出す予定はないのかとランド研究所にメールで問い合わせたりした(返事はなかったが)。

※ ランド報告書は今もネット上で全文参照可能:Chinese Attacks on U.S. Air Bases in Asia

★ 当時の本誌:No.815(2015年12月14日号)「嘉手納空軍基地は使いものにならない?/米シンクタンクのリアルな分析」→本号に付録として再掲する。

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