環境問題は嘘をつく。子供を動員して大人たちを騙す
だから、多くの環境問題は嘘がバレないように小学生などの子供を動員する。
リサイクル運動のときには小学校4年生が作った標語を全国の自治体が使い、地球温暖化では、これも小学生が輪になって手を繋ぎ、「私たちに何ができるの?」と歌い、それをNHKが報道したりしている。
事実、プラスチックストロー追放運動では、直ちにコーヒーチェーンなどが売上増加を目的に宣伝し、それを日本の環境アホ政治家が取り上げ、日本でも全国のホテルでプラスチックストローや歯ブラシが全廃されるなどの活動が展開された。
アンデルセンの童話の代表作に「裸の王様」というのがある。この話は、もともと14世紀の地方の話にあったものを、アンデルセンが少し修飾して優れた寓話にしたものである。
あるインチキをする仕立て屋が、王様を騙してお金を取ろうと思い、手に何も持たないで、王様に「この素晴らしい着物が見える人は正直な人で、心に悪いものを持っている人は見えません」と言って騙す話である。
実際に着物を仕立て、王様がそれを着て街中を歩く。街の人は自分が正直な人と思われたいから、「大変、素晴らしい洋服ですね」とおだてる。ところが、一人の少年が「なんで王様は裸なんですか?」と聞き、それで嘘がバレるという物語である。
つまり、人間が自分のために嘘をつく弱さを示したものであるが、現在の社会が欺瞞に満ちているとか、プラスチックストローの問題とかもまた「裸の王様」と同じ現象だ。
だから今回、トランプ大統領があらためて紙ストローの禁止令を出しても、誰もが環境問題なんて実は嘘だとわかっているので反対をしない。嘘だと知っているけれども、自分も「環境に優しい人」と思われたいから、今まで黙っていたということになる――(『武田邦彦メールマガジン『テレビが伝えない真実』』2025年2月26日号より一部抜粋。続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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