山林火災“同時多発”に「多すぎ」「おかしくね?」SNSざわつく。錯覚か陰謀論か?野焼きではなく“放火テロ”疑う人も

2025.03.26
by 東山ドレミ
shutterstock_2504280787_eye
 

全国で相次ぐ山林火災。住宅街にまで炎が迫る様子が盛んに報道され、SNSでは「さすがに火事が多すぎるのではないか」「何かおかしくないか」といった疑問の声があがりはじめた。

相次ぐ山林火災に「絶対におかしいよね」不安の声

大規模な山林火災が全国で相次ぎ、人々に不安と疑念が広がっている。

岩手県大船渡市(2月26日発災)では2900ヘクタールが焼失、100棟以上の住宅が被害を受けた。1ヶ月が経過した現在も完全には鎮火できていない。

さらに今月下旬には、愛媛県今治市(23日)、岡山県岡山市南区(23日)、宮崎県宮崎市(25日)などで新たな火災が発生。いずれも鎮火のメドは立っておらず、避難指示の対象が拡大している。

山火事の“同時多発”としか言いようがない異常事態に、ネットの空気感も大きく変わってきたという。ネットメディア編集デスクが説明する。

「きょう26日も、福島県須賀川市で林野火災が発生しました。幸い鎮火したものの、どのニュースがどの火災なのか分からなくなるほどのヤバい状況です。SNSや掲示板では、≪絶対におかしいよね≫≪ひょっとして戦争始まってない?≫≪韓国でも山火事がひどいんだよな≫≪これ、ほんまに放火ちゃうんか?≫といった声が急増しています。“失火や偶然のめぐり合わせだけで、さすがにこうはならないだろう”と感じてしまうようです。私も共感してしまう面があります」(ネットメディア編集デスク)

XなどのSNSでは、今月初旬までは(野焼きや焚き火を好むイメージが強い)山間部のお年寄りをバッシングする流れが見られたのだが、時を経るにしたがい、組織的な“放火テロ”を疑うユーザーが増加している。

さらに一部には、“衛星ビーム兵器によって山を焼き払っているに違いない”といった自説を唱える人もいるようだ。

山火事の7.6%は放火(疑い含む)が原因

これらは世間的には“陰謀論”とされている。

空気が乾燥する今の季節はもともと火災が起こりやすく、日本では毎年山火事が発生している。また、大船渡市の被害があまりに甚大だったため、マスコミが積極的に山林火災を報道するようになった結果、例年よりも発生件数が極端に多いように“錯覚”してしまうだけという指摘もある。

SNSで散見される“ビーム兵器山火事陰謀論”(跡地にスマートシティを建設するため、衛星ビーム兵器で山を焼き払っているとする説)などは当然、荒唐無稽なトンデモ説として却下されることになるわけだ。

とはいえ、巷で広がっている人々の疑問のすべてを“陰謀論”で片付けるのは危険かもしれない。先のネットメディア編集デスクが言う。

「大事なのは“出火原因は野焼きではなく放火かもしれない”という疑いと、“ビーム兵器なんてトンデモ陰謀論だ”という2つの主張は完全に両立するという点です。この前提をすっとばし、放火説をまるごと陰謀論扱いするのは間違いでしょう。林野庁によると、山火事の7.6%は放火(疑い含む)が原因と言いますからね。一連の山林火災に対して、≪何かがおかしい≫≪放火ではないか?≫と人々が感じるのはごく普通のことだと思います」(前出のネットメディア編集デスク)

上記は林野庁による山林火災の原因別出火件数(2019~2023年の平均)だ。「火入れ」は雑草などの焼却を指し、厳密には異なるが「野焼き」に類似の作業にあたる。「放火」も決して無視できない高い比率となっている。

print
いま読まれてます

  • 山林火災“同時多発”に「多すぎ」「おかしくね?」SNSざわつく。錯覚か陰謀論か?野焼きではなく“放火テロ”疑う人も
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け