本メルマガでは、要点の概要を以下で紹介しますので、何がアウトなのか、自分の会社ではどうか、自分の周りはどうか、を考えてみてください。
<報道番組キャスターS氏によるハラスメント その1>
- 2006年頃、女性社員MさんをS氏は何度も食事に誘う。
- Mさんが誘いに応じ一対一での食事に行ったところ、休日にドライブに誘われ、食事、花火、映画、バーなどに連れ回された。
- その後、MさんがS氏の食事の誘いを断ったところ、業務上必要なメモを共有してらもえなかったり、原稿が遅いなどと不当な叱責を部内一斉メールで送信されたり、電話で怒鳴られたり、威圧的な口調で話をされたりした。
- 上長に相談するも、納得できる対応は得られなかった(上長はS氏が行為の一部を認めたことから叱責したが、Mさんには伝えられていなかった)。
<報道番組キャスターS氏によるハラスメント その2>
- 07年~08年頃、S氏は女性社員Nさんを一対一での食事に誘ったり、休日に「今何しているのか写メを送れ」という趣旨のメールをした。
- Nさんが、それらの誘いを断ったところ、Nさんに対しても不当な叱責を部内一斉メールで送信したり、電話での論旨不明な叱責をしたりした。
- Nさんも上長に相談するが、納得した回答は得られなかった。
< 2018年1月、S氏の「報道番組のメインキャスター就任」が発表される>
- 週刊誌がS氏のMさん・Nさんへのハラスメントを報道
- 専務取締役(当時)と報道局長(当時)からMさんとNさんに対し、S氏に本件ハラスメント行為を否定するような言動はさせないことを約束しつつも、ハラスメントを口外しないよう求めて事態の鎮静化を図ろうとした(当時の録音テープで確認)。
これらの調査結果を受け、第三者委員会は「女性社員の心情を無視して対外的に事実関係を否定する声明を出すことによってハラスメント行為自体を隠ぺいし、で解決を図ろうとする組織的な体質の現れであるといえる」と指摘。
さらに「S氏は、ハラスメント行為を行った当時や週刊誌の報道後も懲戒処分を受けることなく、現在も報道番組のキャスターとして出演し、その後も一貫して昇進を続け、2021年にはフジテレビの取締役に就任している」と批判している。
さて、いかがでしょうか。
あなたの周りにも似たような事案があるのではないでしょうか。
私はこれと同じようなハラスメントにあった人から、何度も相談を受けました。
そういう企業では、この時フジテレビが取った対応とほとんど同じ対応をしています。つまり、なかったことにする、です。被害者ではなく加害者守りに徹するのです。
加害者は大抵の場合、企業を階層最上階に登りつめた“大ジジイ“の子飼いで、何をやっても許され、大ジジイの引きで昇進し、階層上階に用意された椅子に「何事もなかった」ように太々しく座ります。
今回、第三者委員会は日枝氏の影響力にも言及したものの、「日枝氏だけが企業風土をつくったわけではない」とし、役員全員に責任があり、経営責任は取締役全員が負うべきだと結論付けました。
私は・・・今回明かされたフジテレビの病巣は、日本社会そのものの病巣に思えてなりません。
WHOの性暴力の定義を、日本のすべての企業の経営者は知るべきだし、知って欲しいです。
自分の大切な娘が、自分の自慢の息子が、性暴力にあったらと考えてみてください。
みなさんのご意見や体験など、お聞かせください。
この記事の著者・河合薫さんのメルマガ
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