大麻で捕まる中学生、市販薬でキメる小学生。なぜ子どもたちの薬物汚染が深刻化しているのか?

Tokyo,,Japan,-,14,August,2018:,Two,Tourist,Holding,"hug
 

薬物汚染の低年齢化が進むわが国。殊に大麻の蔓延は深刻で、昨年摘発された中学生が過去最多を記録したことが大きく報じられています。今回のメルマガ『伝説の探偵』では現役探偵の阿部泰尚(あべ・ひろたか)さんが、かような現状を自身の体験を交えつつ紹介。さらに子どもたちを守るべき役割を放棄していると言っても過言ではない文部科学省のSNS運用を厳しく批判しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:大麻蔓延か_中学生摘発過去最多を記録

中学生の摘発が過去最多を記録。子どもたちの間に蔓延する大麻

一部報じられたが、読者の皆様は、今現在、大麻が中学生にまで流れていることをご存じだろうか。

見え隠れする「同調圧力」

各社報道をまとめてみると、2024年に大麻で摘発された人数は、6,078人に上り、このうち10代以下は1,128人で2割を占める(警察庁統計)。

このうち学生は、大学生が最も多く229人、高校生等が94人などだが前年より微減。前年から5人増えたのが中学生で26人と過去最多となったというのだ。

なんだ、26人じゃ大したことないじゃないかと思われるかもしれないが、そもそも中学生が大麻で摘発されること自体が異常ではないかと思うのだ。

さらに、摘発された889人に「初めて大麻を使用した年齢」を尋ねたところ、「10代以下」と答えた割合が49.4%であったという。10代以下が2017年調査より2024年調査では13%増加したというのも若年化の傾向が顕著である。

世間では様々なニュースが流れている中、芸能人のどうでもよいスキャンダルの話題性に目を取られたりしがちだが、こうした報道はよく考えなければならない事態を報せてくれる貴重なものだと思うのだ。

しかし、ネットでは「医療用大麻もあるくらいだから安全」、「タバコよりも依存性が低いから大丈夫」、「海外では合法なところもあるから日本も合法になればいい」などの声も踊っている。なるほど、そうなんだねと思いつつ、今現在日本では違法であり犯罪である。

合法になる社会を実現したいのであれば、合法になるように議論を積み上げればいいだろう。

一方、大麻や覚せい剤の売買は、SNSで拡散、摘発された中学生の事例では、高校生から頼まれ売人や運び屋になるといったものがある。単純所持など自分で使う場合は「興味本位」が多くその背景には周りもやっていてという「同調圧力」も見え隠れする。

「大麻の拡散」に利用される匿名性の高いSNSアプリ

そして、使用されるSNSアプリは「テレグラム」や「シグナル」といった通信秘匿性の高いアプリだ。通信暗号化などで秘匿性が高いため、匿名性が極めて高いから捜査機関が調査に入っても解明するのが困難なのだ。

この手のアプリは普通にダウンロードでき「闇バイト」などで使われてさらに有名になった。

禁止すればいいじゃないかという声も上がるが、それこそ禁止している国もある事は事実だが、表現の自由や安全な通信という名目から、犯罪抑止のためにアプリ禁止するというのは国民の権利を侵害するとも考えられている上、仮に国が動いてテレグラム等のアプリを禁止しようとしても個人の権利とぶつかってしまうから、禁止にはできないのだ。

さらに、テレグラム等を使えないようにしたとしても、また次の後釜が誕生することになろう。つまり、こうしたところからも、できることは予防していくことしかないのだ。

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