氷河期世代はもう騙されるな。今、本当にやるべきことは?
あらためて氷河期世代の皆さんは、心の底から怒るべきです。
その上で提案なのですが、その怒りを前進するエネルギーに変えて、改めて行動してはどうでしょうか。具体的には、自分たちを追い詰めた要因を「徹底的に破壊する」のです。つまり「新卒一括採用」「年功序列」「メンバーシップ雇用」に加えて「DXと国際化の先延ばし」をぶっ飛ばすのです。
自分たちを苦しめ、日本経済を瀕死の状態に追いやった「アンシャン・レジーム(旧体制)」を破壊するのです。その手段は単純です。まだまだ日本の多くの企業や官公庁は、職場によってバラバラの「自己流の仕事の進め方」をしています。これを徹底的に調査して暴露し、標準化して高効率のDXに乗せるという「新産業」を氷河期の皆さんが立ち上げるのです。
例えば全企業、全職場の共通のものとして予算管理や給与計算、生産と在庫の管理、営業事務があります。完全に共通仕様にして標準化し、大規模に展開するのです。つまり、多くの企業などの人事部と経理部、あるいは生産管理、在庫管理や営業事務を「亡き者」にして、その代わりに企業には高効率な生産性を提供して対価を得るのです。
そのようにして、自分たちを追い詰めた原因を壊し、実際に追い詰めた人々から仕事を奪い、その効率化で大いに稼ぐのです。そのためには、氷河期世代が30代以下の若手世代とタッグを組むのもいいでしょう。とにかく、やる以上は徹底的に、攻撃的に、非連続的にやるのです。
これの何がいいのかというと、こうした行動は日本経済の全体に寄与します。衰退にブレーキをかけ、少なくとも大卒50%という高度教育社会に投じられたコストをマネタイズすることができます。事務員集団という「各社自己流の業務」という何の役にもにも立たない、何も産まない、いや反社会性や非合法性すら隠しているようなグループを叩きのめして、経済を成長軌道に戻すことも可能になります。
そのような行動と革命を通じて、日本経済を変革するのです。よく考えれば、長寿が当たり前、そして何歳でも若々しい時代です。50歳なんて壮年も良いところです。
その氷河期世代に対して「あと10年で高齢者」などと不安感を煽り、姑息なマジックで「皆さんにも世代間の助け合いで逃げ切りを」などと甘い言葉をささやく政府はヒドいと思います。
あらためて申し上げます。非正規の経験で身についた「権利主張の精神」「雇用主と労働者は利害相反という常識」「各社の自己流によるムダな事務仕事の発見」というのは、日本経済を救う財産なのです。今こそ、そのノウハウをマネタイズして、ガンガン稼げばいいのです。
いずれにしても、搾取の連鎖で逃げ切りの輪をつなぐ、そんな80年の歴史を断ち切らないと、この国は本当に滅んでしまいます。そして、何よりも氷河期世代自身が最終的に救われない結果になると思います。
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