新市長は平気でウソをついた前任者のやり口を踏襲するのか
前任の影山元市長は、とにかく被害保護者を一方的に嫌った。面談は無視、懇談は受付すらせず、記者からの質問では「(被害側との交渉は)やっています」と嘘をついていた。
財務省出身のエリートである影山元市長は、伝説の探偵でも何度か取り上げた。
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その都度、関係者からは、私は相当嫌われていると耳に入ったが、一切手を緩めなかったのには理由がある。
組織のリーダーというのは、仕組みを決めたり方向性を示すだけが役割ではない。財務省当時であれば有能な官僚が控えているのだからそれで十分彼らが仕事を先に進めてくれたのかもしれないが、市行政は違う。例えるなら、大手上場企業と中小企業の差だ。
リーダーは率先して組織をけん引し、現場に降りて時にはチェックし、先へ進ませる役割担うものだ。私は彼にはそれができる人だという思いがあった。
例えば、私は1つの提案として、大阪府寝屋川市のいじめ対策がもっとも自治体が行ういじめ対策として効果があるとして「監察課」設置を2023年5月11日に提案している。
それまで、湖西市の教育行政では管轄課の「か」の字も記録にはなかったのに、これ以降の2024年11月には「湖西市いじめ防止対策推進条例」が設置され、市長部局が先頭に立って、「こども政策課」に「いじめ防止対策室」が新設されて、学校以外にいじめの相談ができる場がリアルにもオンライン上にも出来たのだ。
つまり、市長自ら動けば、新たな条例を作り、各所利害を含めて整備して、いじめ問題の対策は1年と少しあれば完成できてしまうのである。
ところが、この設置の契機となっている問題は、ただ時間を浪費し、交渉の場すら持たず、逃げ回った挙句に、法すら理解できていない担当者が、持論を展開して、私に注意されるという顛末なわけだ。
事態が急展開を迎えたと思ったのは、2025年2月5日のことだ。それ以前から、新市長の田内市長が被害保護者と面談の意向がある事は知っていた。
この日については、事前に15分だけ、支援者としてNPO法人ユース・ガーディアン代表理事の阿部泰尚の同席は許さないと伝えられていた。
だから、伝えるべき事項、市に求める事項を無理のない範囲で、私は被害保護者とまとめたのだ。
面談直後、被害保護者によれば15分ではなく1時間程度話したということであった。その後メディアのぶらさがりの取材があり、これに応じてきたということであったが、最も驚いたのは、市長が「再調査はしないことは既に決まっている」と発したということであった。これは市教委とも話し合った上であということであるが、本来再調査は、首長の専任事項であり、市教委云々は関係がない。一見、よく検討したように聞こえるが、そうではないのだ。
また、第三者委員会についての検証ではなく評価をしていくことを念頭においていたことなどが分かった。
伝えるべきところで、多少の感情が入ってしまうのは被害側にはよくある事であるが、検証委員会の設置は再度約束されたが、その後全く進んでいないことにはがっかりせざるを得ない。
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