「アメリカとの関税交渉の遅れ」という挽回不能な大失点
そして、外交において既に挽回不能な大失点になりつつあるのが、米国との関税交渉の遅れです。赤沢亮正経済再生担当大臣を交渉団長にして既に7回もの交渉を続けながら、まったく何の進展もなく、ついにトランプ大統領からは交渉打ち切りとさらなる高関税をほのめかされる始末です。
日本の輸出総額に占める米国の比率は、財務省の24年度貿易統計によると、約107兆円のうちの21.3兆円で19.9%ですが、実際にトランプ大統領が言っているように交渉打ち切りの手紙が届くようなことになれば大失態と言えます。
だいたい、赤沢大臣は、ベッセント財務長官などとの事前のアポなしで渡米していることを会見で打ち明けていますが、そんな行き当たりばったりなことをしていたとはまさに驚きです。我が国はいつからそんな杜撰な外交をやるようになったのでしょうか。これでは外務省が機能不全になっていると言われても仕方ないでしょう。
【関連動画】https://x.com/PoppinCoco/status/1940022285475209239
【ピストン赤沢】赤沢大臣さん、国民の血税を使った度重なるトランプ関税交渉名目の渡米は、相手との調整は全く関係無しの一方的な「押しかけ」だったことを大暴露してしまう。
— Poppin Coco (@PoppinCoco) July 1, 2025
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トランプ政権も神経を尖らせる「親中」「媚中」姿勢
さらに、石破政権は「親中」「媚中」とも言われ、トランプ政権も神経を尖らせていますが、石破首相のみならず、岩屋毅外務大臣の言動にも不信感が募るばかりです。中国寄りの言動が目立つ人物ですが、先日日経新聞がスクープした合成麻薬「フェンタニル」の件に関する岩屋氏の発言もピントのズレたものでした。
長くなるので今回はフェンタニルの詳細については割愛しますが、オピオイド系の合成麻薬で、がん痛などの鎮痛剤としても使われるものです。モルヒネの数十倍から100倍程度の効力があると言われ、依存性が強く、致死量はわずか2ミリグラムとされ、この薬の乱用で米国では2023年だけで11万人が死亡したと言われています。
中国製のフェンタニルがメキシコやカナダ経由で米国に流入しているということで、フェンタニルの米国内への流入を食い止めるということが、トランプ大統領が国境警備を厳しくしている理由の一つにもなっています。
そしてなんと今回、このフェンタニルを米国に密輸する中国組織の拠点が名古屋にあったということを日経新聞がスクープしたのです――(本記事は『グーグル日本法人元社長 辻野晃一郎のアタマの中 』2025年7月4日号の一部抜粋です。このつづきに興味をお持ちの方はぜひご登録ください)
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