異文化を理解する力は、みんな『なるほど・ザ・ワールド』が教えてくれた

Tokyo,,Japan,-,February,09,,2025,:,The,Fuji,Tv
 

今、フジテレビをめぐる問題が報じられるなかで、批判の対象にもなっている「フジテレビらしさ」には、忘れてはいけない価値があったのではないでしょうか。メルマガ『ジャーナリスティックなやさしい未来』の著者でジャーナリストの引地達也さんが、フジテレビの番組『なるほど・ザ・ワールド』から教えてもらった学びの原点について語っています。

「なるほど・ザ・ワールド」が導いた未知なるものへの好奇心

フジテレビの問題が尾を引く中、株主総会ではフジテレビからの提案が受け入れられ、外部から役員提案等は退けられた。

問題に関する検証の結果に対する否定的な見解も多い。

メディアが今後、どのように社会に役立ち、収益性を確保していくかは、メディア業界全体の課題ではあるが、「楽しくなければテレビじゃない!」をキャッチ・フレーズにしたフジテレビ「らしさ」が問題の根源という指摘もあり、「らしさ」からどのように脱却かするのか世間から注目が集まる。

同時に「らしさ」が社会に及ぼした成果もある。

以前、フジテレビが民間放送で新聞協会賞を最も多く受賞していることには触れたが、今回は私自身がみんなの大学校で行っているプログラムは、小学生の頃に見たフジテレビ「らしい」ある番組が、原風景にあり、それは今の「私たちの社会」に必要な視点を示しているように思う。

その番組とは1981年開始の「なるほど・ザ・ワールド」だ。

先ほどのキャッチ・フレーズを前面に押し出した新番組の目玉とされた愛川欽也司会の番組は世界各地を訪問したレポーターが、異文化を紹介しながらクイズとして出題し、チームに分かれたゲストの芸能人が解答していく内容。

レポーターから伝えられる海外の文化や風習、事情、そしてビジュアルは、海外旅行が一般化していない時代の、異文化体験の入口になった。

私は、クイズの解答やそのやりとりには関心を示すことなく、ひたすらに映像で伝えられる海外の空気感に心惹かれた。

それは小学生の頃だから、いつか、自分も行ってみたい、そんな思いを掻き立てられた。

まだ知らない世界を知る学びの機会でもあり、ふと気づくと、私がみんなの大学校で提供している学びは、この番組が大きく影響している。

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