3列6シーターSUV市場
この3列6シーターSUV市場は中国において激戦区だ。
PHEVやREEVを入れてしまうと複雑になりすぎるので、BEVだけで見たとしても、理想i8、蔚来(NIO)の「楽道(ONVO)L90」、ファーウェイ「鴻蒙智行(HIMA)」の問界(AITO)の「M8」など競合がひしめく。
3列6シーターで最も重要な要素となりえるのが、居住性だ。この居住性について、これら中国勢はあの手この手で工夫を加えてくる。それらと比べると、実はModel Y Lは弱い。
例えば、無理やり押し込めた感のある3列目の空間の広さは、これら中国勢には全く歯が立たない。
2列5シーターの既存のModel Yの拡張版であるだけに、その良さは残しつつも、3列目を慌てて取って付けた感は否めない。
それでもテスラが強い訳
しかし、それでも中国3列6シーターSUV市場でModel Y Lが存在感を示す可能性は極めて高いと思われる。
EVといえばテスラ、という問答無用のブランド力が中国では強すぎるためだ。
LiやNIO、ファーウェイがここは束になっても敵わない領域。
つまり中国3列6シーターSUV市場でもテスラが主導権を握るのか、あるいはやや苦戦する可能性があるのか、程度の先行き感だ。
Model Y Lの存在意義はここに集約されている。
テスラも中国消費者を無視できない
広い視点で見ると、Model Y L の発売は単なる製品投入を超えた意味を持つ。つまり、テスラの中国市場戦略が変化しつつあるということだ。
かつての「自分本位」のやり方が、今では必ずしも通用しなくなっていることをテスラ自身も認めた形だ。
今回の取り組みは、テスラにとって一種の賭けだ。成功すれば新たな成長領域を切り開き、新しい成長曲線を描ける。失敗してもSKUがひとつ増えるだけで損失は小さい。
だが重要なのは、テスラですら中国市場向けに“魔改造”を始めたこと自体だ。
これは中国の新エネ車市場の競争が、これまで以上に残酷かつエキサイティングな局面に入ったこと、またテスラでさえ中国消費者のニーズを重視せざるを得ない状況を指し示すものだ。
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出典: https://mp.weixin.qq.com/s/BcedXnzQ8TH7GnJ64hefVQ
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