「8月15日」では不都合。なぜ中国とロシアは「9月3日」を“戦勝記念日”にしたがるのか?

 

勝たねばならない「9月3日問題」という正当性の争い

改めて思うのですが、靖国参拝を強行するのが保守だというような種のイデオロギーというのは、どう考えても敵方の調略が入っていると考えざるを得ません。それも含めて、戦後日本の国体=国のかたちにおける、この「黙契」の問題は、国家の深いところで意識していかねばならないと考えています。

いずれにしても、この「9月3日問題」というのは、警戒すべき問題です。一つには、北方の国境に関する悪しき現状の改善どころか、更に中長期的には南進の野望も見え隠れする中での、勝たねばならない正当性の争いだからです。そして、もう一つは、北方問題だけでなく、サンフランシスコの平和を、そのまま横取りする策謀だからです。

他でもないアメリカが、サンフランシスコの平和に興味を失っている現在、日本はあらゆる孤立化の陰謀を跳ね返しながら、サンフランシスコの平和を守り、その正統性を守っていかねばなりません。

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東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは第1~第4火曜日配信。

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