“財務省の犬”と化した労働組合の総本山「連合」が“消費税を手放しで礼賛”するふざけた理由

 

消費税に反対する組織は国税に狙われる

もちろん、この脱税事件は、自治労側の身から出た錆です。

そもそも労働組合というのは、経理が甘い傾向にあります。普通の企業であれば、税理士や会計士が定期的に経理の監査をしますし、税務署の税務調査が入ることもあります。

しかし、労働組合は、税理士や会計士の定期的な監査を受けることはほとんどありません。せいぜい身内の「監査役」がチェックする程度です。しかも、組合費などでけっこう大きなお金が集まります。だから、労働組合の幹部や経理担当者が、組合費を私物化してしまうというようなケースはよくあることです。

ただ労働組合に国税が調査に入るということは、それまであまりありませんでした。労働組合というのは、労働法で守られた労働者の組織なので、国家権力がいたずらに介入することは避けられてきたのです。

しかし、1990年代後半から、国税は頻繁に労働組合に税務調査を行うようになりました。

このころ、消費税に反対していた朝日新聞などのマスコミ各社も、執拗な税務調査が行われました。そして、このメルマガの2019年3月16日号でも触れましたように、朝日新聞はかつて強硬に消費税に反対していたのですが、悪質な課税逃れが発覚して以降は手のひらを返したように、消費税推奨論者になってしまいました。

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つまり、連合が消費税に賛成するようになったのも、朝日新聞と非常に良く似た経緯なのです。

かつて、連合は、消費税の逆進性を強く批判していました。

消費税は、低所得者ほど「収入に対する税負担割合」が高くなる「逆進性」を持っています。労働者を守る立場の連合はそれを大きな問題としていたのです。

現在の消費税も、逆進性の問題は抱えていますが、連合は消費税の逆進性の問題などまったく言及しなくなりました。

また消費税は導入されたり、税率がアップされるときに、必ずといっていいほど法人税減税や高額所得者の減税も同時の行われています。これはつまり、企業や金持ちを潤し、労働者の負担を増やすということです。労働組合がもっとも怒らなければならない場面であり、ここで怒らなくてどこで怒るのだということです。

にもかかわらず、連合は、消費税増税と同時に法人税が下げられることなどまったくスルーして、ただひたすら財務省の主張する「社会保障の財源として消費税は必要」という文言をオウム返しにアナウンスするだけです。

筆者は連合の幹部にはとくと説明を求めたいものです。

「消費税増税と同時に法人税減税や高額所得者の減税が行われていることになぜ怒らないのですか?」

「消費税は今でも逆進性があるのに、なぜまったく何も言わなくなったのですか?」

と。そして、

「自治労の脱税が発覚してから消費税賛成に回ったように見えます。消費税以外に税金はたくさんあるのに、なぜ消費税の増税にだけ固執するのですか?」

と。

いくら厳しい税務調査が行われたところで、やましいところがなければ何も怖くないはずです。実際に、税務調査が行われても何も指摘されない企業もたくさんあるのです。

連合が税務調査を怖がる(ように見える)ということは、やましいことがあるということではないか?

相変わらず緩い経理を行い、幹部たちが美味しい思いをしているから、「消費税を推奨しなければならない羽目になっているのではないか?」。連合の幹部にはぜひ説明していただきたいものです。

(本記事はメルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』2025年10月1日号の一部抜粋です。「おひとりさまの老後対策 1」「本当は怖いお金のしくみ 1」を含む全文はご登録の上ご覧ください。初月無料です)

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