「圧」をかけてでも撤回させるべき「汚い首を切る」の暴言
さて、様々な事例を見てきたわけですが、今回の高市総理との中国指導部の確執についてはどう見たらいいのか、以降は箇条書きで留意点を述べたいと思います。
1)まず、一番問題になっている「存立危機事態」という言葉ですが、本質的なところで誤解があるのではないかと思います。この「存立危機事態」というのは、安倍総理の際に内閣が行った憲法解釈の変更に関するもので、「集団的自衛権を行使する条件」として設定されているものです。
という経緯を踏まえ、その半端な理解から短絡的に処理すると、台湾有事が起きたら、それは日本にとって「存立危機事態だ」イコール「日本の自衛隊が集団自衛権を行使する」という理解になってしまいます。
更に、これが飛躍すると、イコール「自衛隊が台湾軍と共同作戦を行う」イコール「自衛隊が中国人民解放軍と戦争する」という話に大発展の末、短絡することになります。
中国サイドが「首がどうのこうの」という最大限の言葉の応戦をしてきており、それを指導部も止めないという背景には、このような飛躍と短絡があると理解できます。その上で申し上げますが、
「高市総理はそんな意味では全く言っていない」
はずです。そうではなくて、集団的自衛権がどうのこうのという法理ではなく、単純に、
「日本にとって、近隣で軍事衝突が起きそうだというのは、深刻な事態」
だということを言いたかっただけであり、そこで他の文言ではなく「存立危機事態」という集団的自衛権を行使する条件としての言葉を使ったのは、
「抑止力を高めるために、そのような危機を防ぐために、自衛隊が米軍と情報共有して動くことはあるかもしれず、そのような抑止力を高めておく措置の際に、憲法上疑義がないように、集団的自衛権、文字通り集団で自衛して抑止する」
ためだ、というような意味合いだと思います。マックスでそのレベルであり、自衛隊が台湾軍と一緒になって中国軍と戦争するなどという意味合いは皆無だと思います。ですから、高市氏はそのように説明すればいいのであって、まずは、それが第一歩になると思います。
2)その一方で、日本サイドはもっと怒るべきだと思います。別に総理としての厳しい対応に男も女もないですが、しかし一国の総理大臣に対して「汚い首を切る」というのは、最大限の暴言です。この暴言は絶対に撤回させるべきであり、その意味でもっと圧をかけていいと思います。
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