ついにイスラエルと断絶か?支持率急落の“逆風”にさらされた米トランプに迫られる「困難」な選択

 

「恐怖のドミノ」防止のためトランプに求められる姿勢

今、この恐怖のドミノを防止するには、アメリカがイスラエルとの関係を見直し、ネタニエフ首相を罰して蛮行をすぐにやめさせ、中東和平に本腰を入れてコミットすることが必要となります。

それは、ガザ地区のアメリカによる暫定統治も含みますが、それは現行案が謳うハマスの抑止ではなく、イスラエルの野心に対する抑止と、極限まで上がってきている緊張の緩和と対立の鎮静化のための確固たるプレゼンスを意味します。

実質的な行政はアラブ諸国に任せるにしても、その背後にはアメリカが控えているという状況を作り出す必要があります。

ロシア・ウクライナ戦争の終結が実質的に期待できない中、まずは本気で本格的にもう1つの大きな紛争の種を抑え込み、世界戦争に発展する可能性の芽を摘み取る必要がありますが、果たしてトランプ大統領のアメリカと、国際社会にイスラエルを抑制し、アラブ諸国の怒りを鎮め、協調の下に中東地域の和平を再構築するという試みが必要になると考えます。

恐らくこのメルマガが皆さんの元に届くころには、ロシア・ウクライナ戦争の停戦合意の行方が少し見えてくることかと思いますが、恐らくロシア側の否定と遅延工作により、戦闘が続いたまま、ロシアによるウクライナ侵攻から4年を迎えることになりそうです。

「戦争を早急にやめるように」とロシア・ウクライナ双方に求め続ける姿勢は必要ですが、個人的には、様々な要素に鑑みると、今はアメリカの影響力を最大限用いてイスラエルの蛮行を止め、ガザ地区に対する人道支援を早急に再開し、アラブ諸国に全面的な権限移譲を行って、一旦、中東情勢を落ち着かせる必要があります。

ネタニエフ首相がどこまでまともにトランプ大統領の言うことを聞くかは、正直不安ですが、国際社会から総スカンの状況に自らを追い込んだイスラエルを説得し、蛮行を停止させ、緊張を緩和する方向に導き、ネタニエフ首相またはほかのリーダーが、一度振り上げた拳を穏やかに下ろすための機会を提供できるのは、トランプ大統領のアメリカしかないだろうと考えます。

紛争調停官としては、12月および1月と、非常に忙しい日々を送ることになりそうですが、求められる限りは最大限の努力を惜しまずにつぎ込みたいと考えています。

以上、今週の国際情勢の裏側のコラムでした。

(メルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』2025年11月28日号より一部抜粋。全文をお読みになりたい方は初月無料のお試し購読をご登録下さい)

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